三里木区 たわらや酒店 宇野功一@ |
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316号 2006年6月4日 (1)景気動向と酒の甘辛 酒の甘辛で現在の景気が「好景気なのか」「不景気なのか」が分かるのです。経済企画庁長官も、財務大臣にもぜひ読んでもらいたい、ありがたいレポートを書きたいと思います。これでノーベル賞をもらわなくても「のーめる平和賞」は受賞できるのでは・・・。 では、景気動向と酒の甘辛の相関関係について述べたいと思います。辛口の酒の肴はあっさりした塩分の少ないものが相性がいいと言われます。逆に甘口の酒はこってりして塩分の多い料理に相性がと言われます。ご存知でしたか?
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320号 2006年7月2日 (2)手軽な薬膳酒 〜人気の梅酒の世界〜 お酒を選ぶ時にどんな基準で選んでいらっしゃいますか? 薬膳という言葉を耳にしたことはありますか?和食料理に漢方薬の素材を入れて料理したものを薬膳料理といいます。健康を維持し、将来起こるかもしれない病気を未然に防ごうと、古人たちの知恵が薬膳料理にあります。 ◆ 本格焼酎で梅酒を造ろう 焼酎には甲類(ホワイトリカー)と乙類(本格焼酎)に分けることができます。ご家庭で漬ける梅酒の大半はホワイトリカーが使われていると思います。今年は是非、本格焼酎で漬けてみては如何でしょうか?本格焼酎には、米焼酎、麦焼酎、芋焼酎、そば焼酎、黒糖焼酎、泡盛などがあります。原料ごとに香味が異なります。 ◆ 市販梅酒のあれこれ 昨今、梅酒も密かなブームです。現在では市販の梅酒も数多く発売されています。梅酒は焼酎に漬け込んだものが一般的ですが、市販されている梅酒の中には清酒に漬け込んだ梅酒もあります。 焼酎に漬け込んだ梅酒よりも、格段にソフトで、度数が低いのが特徴です。自分好みの梅酒を見つけるのも楽しいと思います。蒸し暑い日が続く今年の夏場は、梅のパワーで元気に乗り切りましょう! |
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325号 2006年8月6日 (3)飲み方 ご提案 お酒を選ぶ時にどんな基準で選んでいらっしゃいますか? ○食べる料理にあったお酒 ○銘柄 ○薦められたお酒 ○気分で ○とりあえず・・・ 選び方は様々ですが、体調に合わせてお酒を選ぶという選び方も頭に入れておいてください。 ◆日本酒は体温を上昇させます 日本酒(醸造酒)は体温を上昇させる効果をもっています。体温を上げる効果を持つ酒は体にとってとってもよい効果をもたらすといわれます。食欲も増進させます。寒い時期に日本酒が恋しくなるのも理にかなっているのです。厳冬期、 日本酒を飲んで外でを歩いていると酔いが醒めます。 ◆焼酎は体温を低下させます 焼酎(蒸留酒)は体温を低下させる効果をもっています。暑い日に焼酎をロックが美味しく感じます。厳冬期、焼酎を飲んで外で記憶を無くし寝てしまうと、体温が下がりそのまま凍死する恐れがあり危険です。 ◆こんな飲み方はいかがでしょうか? @ まずはとりあえずビール(先発) A 料理と一緒に日本酒(中継) B 料理の後半に焼酎(抑え) お酒も料理もたいへん美味しく食べたり飲んだりすることができます。ビールは喉越しですね。喉の渇きを切ってくれます。 |
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328号 2006年9月3日 (4)白黒はっきりして ◆ 白黒はっきりして・・・ 昨今の芋焼酎ブームの中で、芋焼酎といえば、黒麹という方程式が飲み手の中にあるようです。昨日、仲のよい友人数名と焼き鳥やさんに行きました。ビールを飲んで、焼酎を御所望。 A:黒白波って何? ◆ 白麹と黒麹の話 酒とはアルコールを作ることです。葡萄酒(ぶどうしゅ)は葡萄の房がブドウ糖ですからそのまま発酵します。ビールはデンプンです。発酵しません。そこで水を与え、芽吹かせます。すると、種の中の酵素の働きで麦芽糖ができます。 |
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332号 2006年10月1日 (5)結婚式の幕開けに鏡開き 〜未来を開くお酒の蓋〜 ◆ 結婚式の門出を祝う鏡開き 日本人は人生の節目節目にお酒を飲んできました。結婚式の時の三々九度は夫婦の絆を固めるための固めの杯ですし、祝宴の時の「鏡開き」は未来を踏み出す新郎新婦の幸多からんことを祝しての儀式です。人生の節目には、やっぱり日本酒が登場しますね。 ◆ 鏡開きの酒は 加藤清正公ゆかりの「栄光冨士」 おふたりの人生に幸多からんことを祈って鏡開き「セ〜ノ、ヨイショ」 「おめでとうございます」 |
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337号 2006年11月5日 (6)木枯らしが吹く季節 恋しいお燗酒について ◆ 燗酒は繊細な日本人が育んだ文化 お燗にして風味がよくなる日本酒を「燗あがり」する日本酒と言います。一般的に旨味や酸味が多く、味のしっかりしたボディのある日本酒が、燗して美味しいとされています。 熱燗といっても、煮立ったように熱い日本酒ではないのは見ておわかりの通り。あまり温度を高くするとお酒の味のバランスが崩れてしまいます。香味のバランスが崩れたお燗酒は、温度を冷やしても元の香味には戻りません(不可逆)。日本酒はデリケートな酒です。 ◆ 一般的な温度帯による日本酒の呼び方
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341号 2006年12月3日 (7)命の糧から醸される日本の酒 ◆ 酒には欠かせない米の収穫祭 11月23日は勤労感謝の日。一人の酒屋の店主として、家業に従事している妻に感謝しないといけない日ですが、勤労感謝の日の由来は「収穫祭」であります。 ◆ お米が通貨だった日本 今でも日本酒の業界は「石」が息づく。 世界の歴史から見て、穀物を通貨の基準においていた国が歴史上あったでしょうか。ご存知の通り、江戸時代まで、国力は武士の年俸は米の単位「石」を用いていました。1石は、大人1名が一年間に食べるご飯の量です。(1食に1合の米を食べていたと仮定) 1石=3合/日×365日=1095合 1kg=約7合ですので、1石=156kgに相当します。 平成15年度は日本人一人当たりの米の消費量が約60kgですので、現代人は米を食べなくなったことが分かります。今でも日本酒や焼酎は、江戸時代同様「石・斗・升・合・勺」の単位をふつうに使います。 |
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345号 2007年1月1日 (8)赤酒で祝す・熊本の正月 〜新年明けましておめでとうございます〜 皆様は赤酒を召し上がりましたでしょうか?熊本のお正月はこの『赤酒』がないとはじまりませんね。赤酒に屠蘇散を入れて飲む風習は熊本独自の文化です。熊本以外の地域では清酒や味醂(みりん)に屠蘇散を入れて飲みます。 ◆ 赤酒とは 「赤酒」は熊本県にだけ存在する日本酒の仲間です。色が赤が強く、テリのある琥珀色を呈しています。アルコール度数は13%程で、清酒よりやや低めです。「延喜式」(西暦905年)に「黒貴(くろき)」なる木灰を使う酒が記録されており、この流れを汲む灰持酒(あくもちざけ)に属する古典的タイプの酒が赤酒です。肥後の国では「御国酒(みくにざけ)」として、古来より熊本の地で醸造されていました。 ◆ 赤酒の製法は 原料米は清酒が酒造好適米という酒米に対して、赤酒の原料米はうるち米を使用します。醸造手順は清酒に似ていますが、醗酵が終了して、お酒を搾る前に、もろみの中に木の灰(灰汁(あく))を加えて、酸化を防ぎ、もろみを中和します。 ◆ 慶事用の酒として 熊本では、御慶事用の酒として赤酒を用います。色が綺麗なこともあるのですが、お正月に赤酒を飲んで新年を迎える風習は江戸時代より代々伝わる熊本の文化です。 ◆ 世界の極上の甘口の酒のご紹介 世界三大甘口酒(欧州貴族達が尊んだ酒)として、ソーテルヌ(フランス・白)アイスワイン(ドイツ・白)トカイワイン(ハンガリー)がありますが、赤酒も上品な甘味があり、これらの酒に劣らない酒質です。ロックで飲めばより飲みやすくなります。料理だけではなく普通に赤酒を飲むことをお奨めします。体によいアルカリ性の酒ですから。赤酒で乾杯! |
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349号 2007年2月4日 (9)鍋と日本酒 ◆ 鍋料理にあう日本酒のご紹介 寒いこの季節、家庭や飲み屋さんでの人気メニューといえばなんといっても「鍋」料理ではないでしょうか。一言に鍋料理といっても、いろんなジャンルの鍋料理があります。鍋料理には美味しい日本酒が飲みたくなります。普段は焼酎党の方でも鍋の時ばかりはお燗で、もしくは冷で「キュー」と行きたくなるというのが日本人の性(さが)なのかもしれません。 ◆ ポン酢で食べるあっさり鍋料理 ポン酢で食べるあっさり鍋料理といえば、寄せ鍋、湯豆腐、鶏の水炊き、しゃぶしゃぶなどがありますね。湯豆腐や寄せ鍋は最もオーソドックスな鍋料理で家庭でも簡単にできますね。市販のポン酢を使うのもいいけれど、橙(だいだい)が手に入る方は橙を輪切りにして、果汁を絞り、醤油と混ぜ合わせるとたいへん贅沢なポン酢ができあがります。橙を多く持っている方は、橙を果汁にして冷凍庫で保存しておけば、一年を通してフレッシュな橙果汁を料理に使用することが可能です。 ◆ 麻ダレでいただく鍋料理 胡麻ダレでいただく鍋料理といえば、しゃぶしゃぶ、寄せ鍋などがありますね。鍋料理の中でも若者が好んで食べる鍋料理ですね。牛肉のしゃぶしゃぶは高嶺の花かもしれませんが、上質な豚肉をしゃぶしゃぶにするのもいいものですよ。この時期、我が家でも豚しゃぶの料理は結構食べます。牛肉よりもあっさりしていて美味しいし、水菜と一緒に胡麻ダレで食べる触感は最高です。 |
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353号 2007年3月4日 (10)花見酒・春はどこからやって来る? ◆ 三つの春の使者たち 昨年は3月13日に近所の桜が咲き始めました。我が家では、この早咲きの桜を「おっちょこちょい桜」と命名しています。山桜なのですが、上記の写真のように美しい桜です。この桜が咲きはじめてから平均で7日後、熊本地方気象台から桜の開花情報が発表されます。熊本の桜の開花より一週間前に咲く早咲きの桜です。昨年も見事、この桜が咲き始めて一週間後の3月20日に熊本地方気象台から桜の開花情報が出されました。 ◆ 梅・桃・桜前線の北上速度 桜前線(さくらぜんせん)とは、桜の開花予想日を同じ日で結んだ線のことです。気象庁によって、ソメイヨシノの開花日予想が毎年行われており、桜前線の北上は、3月中旬頃に九州・四国付近から始まり、北海道には5月頃に到達します。かつては、九州から北東方向にほぼ順に桜前線が北上していましたが、最近は、地球温暖化の影響などもあってか、都市部では桜が早く咲くようになり、桜前線が複雑な曲線を描いて進んでいく傾向にあるそうです。 ◆ お花の北上速度 梅や桃や桜は北上する速度が違うことをご存知でしょうか?南国では差が大きいのですが、北国になればその差がだんだん短くなるのです。1日に北上する速度は、梅は17km、桜は34kmということらしいです。 ◆ 花見の宴 日本人がいつごろから花見をしていたのか定かではありませんが、平安時代には花見の宴があったそうです。 |
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357号 2007年4月1日 (11)残したい屋号のある店 ◆ 2つの名前 私は宇野功一という名前だから、人から私のことを呼ばれるとすれば「宇野くん」「宇野さん」「宇野」とかあだ名で呼ばれるのが一般的。だが、私は酒屋をやっているので、取引先の飲食店の大将や女将さんからは「たわらやさん」と言われる。私の名前はご存知なのだが、あえて屋号でいうのだ。 ◆ ショップ VS ストアー 最近、屋号が馴染まなくなったし、屋号のお店がなくなってきた。駅前や地方都市の中央市街地(商店街)が郊外型大型店などの出店で歯抜け状態になっているニュースをよく耳にする。たわらや酒店がある三里木駅前商店街も昔に比べお店が少なくなってきた。我が家から線路の向こう側に「光の森」といった大型ショッピングセンターをコア(核)として全国的なチェーン店が表通りを占めている。 ◆ 屋号に出で立ち 屋号は江戸時代の身分制度「士農工商」から発生している。商人や篤農家は武士と違って苗字がない。取引をする上で、日常的に自然的に屋号という苗字のようなものが発生したようだ。商家として代々受け継がれる屋号は商いの基盤である無形の財産である。それは代々築いてきた信用という旗印があるのだ。 ◆ 残したい屋号のある店 私は幼少の頃から鉄道で旅をするのが大好きだった。今でも好きである。自慢ではないが、国鉄全線270線区を完全乗車した。そのため8年がかりで全国津々浦々の街に出かけた。年々益々、地方色が乏しくなるのを肌で感じた。全国どこへいっても同じ看板の店、同じ商品と言った具合に。もしかして日本人自体が画一化されたのでは・・・。熊本県でも、地元菊陽町でも、お隣大津町でも、残したい屋号のお店がたくさんある。それらの店々は、その土地の風土や風習の中で長い年月、我々の祖先の方々に育まれた店ではないだろうか。きっと将来地域の方々のお役に立つ、見直される時代が来ると思う。
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362号 2007年5月13日 (12)新幹線とTGV 日本酒とワイン ◆ 新幹線とTGV フランス国鉄の高速鉄道TGVが3月13日の試験走行で、世界最速の時速553キロに達したという。1990年に達成したフランス国鉄の高速鉄道TGVの最高時速515.3キロの記録を約17年ぶりに更新。走行した区間はパリと東部ストラスブールを結ぶ新路線。 ◆ フランスに負けるな新幹線 ちなみに我が国、日本の高速鉄道新幹線の最高時速は1996年(平成8年)に時速446キロ。およそ100キロの差が開いた。フランスと日本では地形が違う。フランスは平野が広いのに対して、日本は山間地が多く地震が多い。地形的なデメリットは大きいにしても、やはり最高時速を達成するための挑戦をやってもらいたい。負けるな九州新幹線、負けるなJR総研・・・。 ◆ いまや輸出品に いまやフランスが開発したTGVは輸出品となり、日本の新幹線も台湾に輸出するなど、両国の開発した鉄道とそのシステムが輸出品として競争が激化している。 ◆ 日本酒も焼酎も輸出しよう フランスのワインも国内需要は年々下落傾向。しかし、国内で減る需要を海外で穴埋めしているというのが現状。 |
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365号 2007年6月3日 (13)「日本酒度」って何? 〜日本酒の甘辛を表す数値〜 ◆ 「日本酒度」って何? 日本酒って分かりづらい〜と思っている方が多いようです。弊店に来られるお客様から、「日本酒度」について質問されるケースが多いです。日本酒を身近に感じていただくためにも、今回は「日本酒度」について簡単に説明したいと思います。 ◆ 甘口の酒は日本酒度がマイナス 甘口の日本酒が好きな方は、日本酒度がマイナスのものを選べばよいと思います。 ◆ 辛口の酒は日本酒度がプラス 辛口の日本酒が好きな方は、日本酒度がプラスのものを選べばよいと思います。 |
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369号 2007年7月1日 (14)冷や酒の楽しみ方 ◆ 冷や酒の楽しみ方 暑い夏の季節を迎えました。最近では暑い夏の季節に「冷や」で日本酒を楽しむ飲み方が増えています。より美味しく冷や酒を楽しむために、保管方法、美味しい飲み方をご案内します。 ◆ まぎらわしい「生酒」と「生貯蔵」「生詰」 冷や酒専用の酒として、最近よくみかけるのが小容量の壜に詰められた日本酒です。コンビ二やスーパーなどにも陳列してあります。「生酒」「生貯蔵」「生詰め」と「生」がつきますが、おのおの保管方法が違います。 ◆ ふつうのお酒の場合 貯蔵の前、出荷前と2回に渡ってお酒を65℃に温めて酵母や酵素の働きをなくします。発酵がこれ以上進まず、酒は熟成の時を迎えます。 ◆ 生酒について 生酒は別名・本生(酒)と表示してある場合もあります。お酒をしぼり、熱殺菌せずに、フレッシュな状態で壜に詰められた酒のことです。フレッシュでフルーティーな香りがあります。しかし、生酒は発酵を完全に止めてないため、保管方法に気を使う必要があります。必ず冷温で保管しなければなりません。常温で保管すれば、発酵が進みせっかくの上品な香味が崩れ、美味しくなくなります。 ◆ 生貯蔵(酒)と生詰め(酒)について 生貯蔵については、生の状態で熟成させ、壜詰め出荷前に一度だけ火入れの酒をします。 ◆ 冷や酒あれこれ 上のような生の文字が入った日本酒は基本的に冷やで飲むことをお勧めします。日本には古来から冷や酒にもいろんな表現があります。 ○みぞれ酒(ざけ)温度・・・0℃前後 ●雪(ゆき)冷(び)え 温度・・・5℃前後 ○花冷(はなび)え 温度・・・10℃前後 ●涼(すず)冷(び)え 温度・・・15℃前後。 お酒によって、どの温度帯で飲むのがよいか若干の違いがあります。5℃刻みに表現を変えるところが日本人らしいですね。あなた自身の好みの温度帯を見つけてみてはどうでしょう。 ◆ 冷や酒と料理 あっさりした料理と冷や酒は相性がよいようです。味付けの濃い料理よりも、シンプルな味付けの料理をお勧めします。これは私がよくやる飲み方ですが、グラスに氷を1〜2個浮かべてロックで楽しみます。ストレートで飲む場合よりも、キリッとして淡麗になり飲みやすくなります。お試しください。 |
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374号 2007年8月5日 (15)憶えて!食中酒12度5分(12.5%) ◆ アルコール度数 酒は世界中のさまざまな地域で、さまざまな民族の知恵によって、多様な種類のものがあります。酒を大まかに分類すれば、「醸造酒」と「蒸留酒」に分かれます。 ◆ 食中酒として適当なアルコール度数は? 料理をさらに美味しくしてくれる脇役として登場してくるのが「酒」です。料理が美味しいと酒が美味しくなります。酒が美味しいと料理も美味しくなります。食中酒として、いろんなTPOに併せていろんなタイプの酒類が登場してくると思います。「日本酒」や「焼酎」を食中酒として、名脇役的に演じさせるためにはアルコール度数に気をつける必要があります。 ◆ 憶えてて!!アルコール度数12.5% お料理を美味しくするアルコール度数は12〜13%です。これは私の体験に基づく持論ですが、きっとみなさんも実践されていると思います。 【焼酎の場合は】 焼酎の場合、一般的な25%の焼酎ですと、5:5で割ったものは、アルコール度数が12.5%です。この割合で飲む方が最も多いのでは。料理と焼酎が両方美味しく感じるアルコール度数です。 【日本酒の場合は】 市販されている日本酒のアルコール度数は14〜20%です。お燗にすれば、蒸発によって少々はアルコール度数が低くなりが、焼酎のように割ることはありません。 ◆ ご提案「やわらぎ水」 日本酒を焼酎のように水割り、ロックで楽しむ飲み方をなさる方もいます。よい飲み方です。逆に邪道な飲み方と思われる方もいます。薄めると「水っぽくなる」のが嫌いだ、という方にご提案したい飲み方があります。 |
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377号 2007年9月2日 (16)シャーベット酒を楽しもう ◆ お酒は0℃で凍らないのはなぜ? 冷凍庫で急速に冷やすことを目的に、日本酒を入れておいて「あっ、しまった。とり忘れた」というような経験をしたことはありませんか。もしビールであれば、冷凍庫内で破裂してしまいますが、アルコール度数の高い酒類は破裂するどころか、凍ってもいません。 ◆ シャーベット酒を楽しもう お酒は酒類ごとに醸造方法や蒸留方法、熟成方法が違います。しかし「酒とは何か?」と言われると「水とアルコールの混ざった液体」です。アルコール度数が高くなればなるほど、凝固点・融点は0℃より低くなります。
このような性質を利用して、あなたの好きな日本酒や焼酎で、シャーベット酒を作ってみてはいかがでしょうか? |
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382号 2007年10月7日 (17)民営化 古今東西 ◆ 10月1日 に思ったこと 10月1日は「日本酒の日」。その日の新聞の一面はなんと言っても「郵政事業」の民営化の記事だった。昔、僕らが小学校の教科書では、国が関わる企業体として「三公社五現業」があるということを学んだ。 ◆ 民営化になった酒造業 奈良・平安の律令制度の時代、酒づくりは政(まつりごと)には欠かせないものだった。この時代、酒づくりは密造酒を除いては国営で行われていたという。 |
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386号 2007年11月4日 (18)仮面ライダーみたいな名前の日本酒酵母 日本酒のラベルの裏側を見た時に、使用酵母の欄があります。その欄の中に「7号酵母」やら「9号酵母」などと記載されています。弊店にご来店なさったお客様からこんな質問が来ました。 ◆ 熊本は日本酒酵母王国(メッカ) 明治時代に西洋から科学的な研究が入ってきました。日本酒醸造に関することも研究が進みました。「どうしたら美味しい酒が安全にできるか」という研究をやったのが明治37年に設立した醸造試験所でした。全国各地の銘酒蔵から日本酒を造るのに優れた酵母のサンプリングが始まりました。そして、優秀な酵母は「日本醸造協会」に登録され、全国の蔵元に配布されたのです。発見された順番に番号が付けられました。協会1号酵母、協会2号酵母、協会3号酵母・・・といった具合に。そして、昭和50年ごろから、吟醸酒がブームになるとともに協会酵母に注目を集めてきました。 ◆ 同じ酵母を使っても同じ原料を使っても、同じ香味にならないのは何故? 先にも述べたように、日本酒の大半が協会9号(熊本酵母)や10号酵母で造られています。原料米も精白歩合も同じ、酵母も同じなのに、香味が大きく違う日本酒があります。どうしてですか?という質問が来ます。同じ酵母を使っても、蔵の中には蔵付酵母という蔵ごとに異なる自然酵母が存在します。蔵内の空気中を浮遊して、仕込中にタンクに入り醗酵に関与します。もちろん、蔵人の流儀の違いもありますが、酵母の見えない力が関わっているのは事実です。全国各地の地域の料理(食)に馴染んだ伝統・伝承の味が地方の地酒にはあります。 |
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390号 2007年12月2日 (19)木枯らし吹く季節 燗酒を楽しもう ◆ お燗酒は日本の文化 お燗にして風味がよくなる日本酒を「燗あがり」する日本酒と言います。一般的に、旨味や酸味が多く、味のしっかりしたボディのある日本酒が、燗して美味しいとされています。 ◆ 便利なレンジ用徳利のご紹介
従来の首の細いもの、尖った徳利の形状ではその局部の電力密度が高く過加熱となり、多くの徳利では燗ビンの上下の温度差が20〜30℃の加熱のムラが生じます。電子レンジ用徳利は、まんべんなく温まる形状で徳利の上下の温度差を最小限(2℃程度)におさえ、大変おいしいお燗酒がご家庭(有名割烹、料亭でも使用しています)でも楽しめます。 |
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394号 2008年1月1日 (20)日本の酒は民の酒 ◆ 新年明けましておめでとうございます お正月に付物といえばなんと言っても酒です。すでに飲んでいらっしゃる方も多いのではないかと思います。今年は平成20年、西暦でいいますと2008年、皇紀でいいますと2668年です。日本が生まれてからなんと今年で2668年ということになります。 ◆ 酒は誰のもの さて、民族にはイスラム地域を除いて酒があります。その地域で収穫できる安価な果物や穀物を用いて、独自の伝統的な製法によって酒を仕込んできました。 ◆ 日本人は偉い 貴族が尊んだワインだから、優秀なワインは750mlで何万という価格がします。あのロマネコンティーは750mlでなんと30万円は下りません。日本の庶民がブランドを育んできた日本酒や焼酎は、一升瓶で2000〜3000円程度です。多少プレミアが付いたにせよ、私のお小遣いで買える価格なのでありがたいです。皆さんが正月に飲んでいる酒を、おそらくこのような銘酒ではないかと思います。 |
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398号 2008年2月3日 (21)篤姫の時代の薩摩芋焼酎考 ◆ 薩摩義士と篤姫 新年を迎え、某国営放送の大河ドラマも「篤姫(あつひめ)」になりました。宮崎あおい演じる篤姫は、江戸時代末期の1836年(天保6年)に生まれ、時の薩摩藩主・島津斉彬の養女として、十三代将軍・徳川家定公に嫁ぎます。今も昔も、絶えず世の中は変革するのは世の常なのでしょうか。幕末の動乱の御世に、倒幕の動きは篤姫の生まれ故郷からおこります。生まれ育った鹿児島、嫁ぎ先である江戸の狭間で、人として、女として、責任ある生き方を貫いた篤姫。そんな篤姫が生きた激動の時代、薩摩藩主たちが飲んでいた酒は…?を今回考えてみたいと思います。 ◆ 薩摩の焼酎 江戸時代、薩摩において最もよく飲まれていた酒は焼酎でした。これは今でも変わりません。違いがあるとすれば、それは焼酎に使う麹です。現代は「黒麹(くろこうじ)」や「白麹(しろこうじ)」が芋焼酎の麹として一般的になりましたが、この頃の焼酎つくりの麹は、「黄麹(きこうじ)」でした。黄麹は、日本酒を作る麹とほぼ同じ麹です。香りがよく、柔らかな味わいになるのですが、暖かい時期に仕込むと、腐造することがしばしばだったようです。薩摩義士たちが飲んでいた芋焼酎は現代の芋焼酎と香味が違っていたことは事実です。 ◆ 黄麹の焼酎から黒麹の焼酎へ 明治時代になり、西洋から科学技術がもたらされるようになり、伝統的な酒造りや焼酎造りも科学的な解明が進んできました。薩摩よりも南に位置する琉球において、健全に麹が造られることも解明されました。清酒用に使う麹は見掛けが黄色をしているのに対して、泡盛の麹菌は黒色をしていました。黒色をした麹菌は黄麹菌と比べ、クエン酸をたくさん造りだす事が分かりました。この酸によって温暖な地域でも健全に酒造りができました。 ◆ 篤姫の時代の焼酎が呑みた〜い? 篤姫が生きた激動の薩摩義士たちが飲んでいた黄麹の芋焼酎、飲んでみたいと思いませんか?どんな材料で、どんな工法で仕込まれたのか、実は資料が残っています。1823年(文政6年)に編集された焼酎つくりの古文書「蕃薯考(ばんしょこう)」。この記録をもとに、焼酎づくりを再現されたものがあります。某、幻の焼酎と同じように、手づくりの麹づくり、カメ仕込みは同じですが、出来上がった焼酎を濾す行程がすごいのです。現代は炭を使った濾過に対して、この時代は笹を炭にして絹の布に入れて濾すと言う工法でした。想像以上に上品に仕込まれており、香味は平成の現代でも通じる香味柔らかな焼酎です。 |
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402号 2008年3月2日 (22)昔の単位が息づく酒の世界 ◆ むかしの単位 石・斗・升・合・勺 問題「一升瓶の容量は?」 ⇒⇒⇒ 答え「一升瓶の容量は1800ml(1800cc=1.8?)」です。正確には1升は1803.9mlです。日本酒や焼酎は今でも「升」や「合」「勺」の単位が生きています。居酒屋さんで「とっくり1合・400円」とか書いてあるのを目にしますね。『1石=10斗=100升=1000合 =10000勺』つまり勺の10倍が1合であり、1合の10倍が1升であり、1升の10倍が1斗であり、1斗の10倍が1石なのです。 ◆ お米の1石、お酒の1石 江戸時代、大名や御家人たちの所得は「石」で表わされました。熊本(細川)藩は54万石でした。さて、ここに出てきた「石」は米の量です。米の1石とは、大人が1年間におよそ消費する米の量です。ご存知でしたか?江戸時代の生活は現代人と同じく「朝、昼、晩」の3回食でした。1回におよそ1合の米を食べていました。1日に3合食べていたので、1年間では3合/1日×365日 =1095合。米は約7合で1sなので1095合は156sとなります。米俵2.5俵で1石になります。 |
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407号 2008年4月6日 (23)歳時記・日本の酒づくり@ 日本人が米を造り始めて、今年で何年になるのでしょうか。代々、営々と日本人は米を作り、酒を醸してきました。日本人の春夏秋冬の季節感は、農作物の栽培から生まれ、人々の生活と密接に絡み合ってきました。米から生まれる酒は、節目の祭事に欠かせないものでした。米づくり、酒づくりを知ることは、古来の日本人の営みに触れることではないかと思います。 ◆ 初めの一歩「塩水撰(えんすいせん)」 どの米もまずは「塩水撰」からはじまります。最近は苗を作る農家も少なくなってきましたが「神力」は伝統的な栽培で原料米を作ります。まず、バケツに水を張り、生卵がプッカリ浮かぶようになるまで塩を入れます。海水の塩分濃度とほぼ同じ塩水を作ります。 |
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411号 2008年5月4日 (24)歳時記・日本の酒づくりA 皐月 ◆ 「田植え」 種まきから35日目(およそ1ヵ月)田植えの時期を迎えます。柔らかな早苗が5月のそよ風にたなびくようになります。その年の状況によって多少ずれますが、5月の第2または第3週の日曜日の朝から「神力」の田植えが行われます。今年は5月11日(日)に田植えをします。
勺植えにする理由は、酒米「神力」はたいへん背丈が伸びる品種だからです。秋の収穫のころには背丈が140cm程度にまで伸びます。子どもの背丈よりも大きくなる品種です。現在のヒノヒカリが80p程度なので、倍の背丈になります。もし間隔を狭めて植えれば、通気性が悪く、光が地表まで来ないため、害虫の温床になってしまいます。間隔をあければ、通気性がよく、地面にまで光が入り、害虫が寄り付かず収穫できます。これも無農薬で稲を育てる知恵なのです。収量よりも安全、そして品質のよい酒米を育てるために、ひろびろと酒米「神力」の苗は植えられます。一列に約60名が並んで昔ながらの手植えを行います。昔は全国どこでもこんな光景が見られましたね。 植えられた早苗は約4ヵ月、この田んぼで大きくなり、9月中旬に収穫を迎えます。「害虫や病気の被害にあうことなく、強風や豪雨にも負けず丈夫にスクスク大きくなってもらいたい」そんな思いで、今年も一本一本、かよわき早苗を田んぼに植えていきます。
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415号 2008年6月8日 (25)歳時記・日本の酒づくりB 水無月 ◆すくすく育て 写真は今年の5月11日の田植えの様子。104名の方々と1時間程度田植えをしました。5月11日に田植えをした早苗は、しっかりと根を下ろすようにがんばります。農家の人は、か弱き早苗を寒さや風から守るためにさまざまな工夫をします。先ずは水の管理です。田んぼの水を深めに張ります。こうすることによって寒さ(遅霜)や強風による苗のダメージを少なくしています。水は大気よりも格段に比熱が大きいため、大気よりも温まりにくく冷めにくいという性質があります。この水の性質を利用して、冷害から早苗を守るのです。古人の人たちの知恵です。 ◆ さなぶり 「早苗振る舞い」が「サナブリ」(早苗饗)になったと言われ、忙しい田植えが終わって一息つく、古くは農家の最も楽しい行事の一つです。田の神様へお供え物をし、手伝ってくれた人々を招待して盛大な酒宴が行われました。今までの苦労の労いと「来年もお願いします」という意味が込められています。 |
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419号 2008年7月6日 (26)君 知るや 銘酒 ◆ 「赤がわら屋根」 6月下旬に沖縄に行く機会がありました。沖縄の地酒といえば「泡盛」です。泡盛についてご紹介したいと思います。 ◆ 焼酎の原点は泡盛にあり N君にとって泡盛の蔵を訪問するのは初めて。コンピュータープログラマーの彼はもともと好奇心が旺盛。現在も伝統的な手づくりで造られる蔵を訪問して、N君の目が輝きました。見るもの全てが目新しく、若い蔵人に質問攻め。 |
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423号 2008年8月3日 (27)歳時記・日本の酒づくりC 葉月 ◆ 夏の暑さにも負けぬ 8月上旬のこの時期、一年で最も暑い時節を迎えます。最高気温も35℃を越す猛暑日が連日続きます。人間はしおれて、ふにゃふにゃになってしまうのに、稲はシャンと立ち、さらに丈夫に育っています。 ◆ お盆のころ 8月15日ごろ、稲穂が茎の中で育っています。かわいそうですが、ナイフで1本だけ根元から切って調べると、根っこから20〜30pのところから15p程度の稲穂の赤ちゃんが育っているのです。青々としている苗の葉の中には、稲穂をつける準備が進んでいるのです。 ◆ 8月下旬・稲の花が咲く 稲の花を見たことがありますか? |
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427号 2008年9月7日 (28)歳時記・日本の酒づくりD 稲刈り ◆ モミには神秘的な赤いひげ 9月になると、モミは日ごとに充実し、穂が重くなり垂れ下がってきます。試しにモミを一粒つぶしてみます。先日まで中から牛乳のように白い汁が出ていましたが、いつの間にか米の形をした固形物となっています。稲のモミの先には「芒(ぼさ)」というヒゲがあります。現在の米は芒の長さは1〜2pほどと短いのですが、明治時代の幻の酒米「神力」の芒の長さは2〜4pあります。そして、芒の部分がほのかに赤身を帯びていて、古代米のようでとても神秘的です。 ◆ 二百十日(にひゃくとおか) 立春から数えて210日目のことを「二百十日」といいます。年によって多少違いますが、9月1日前後です。ちなみに、今年は8月31日が二百十日に当ります。このころから、農作物を栽培している農家は、気がかりなことが出てきます。毎日、朝に夕に報じられる天気予報に耳をかたむけます。台風です。この時期に発生し、接近する台風は農作物に大きな被害を与えます。温かな海水温で、エネルギーが温存された大型の台風は、雨や風によって収穫量と品質が大きく損なわれるのです。台風に備えての準備はしますが、なすすべはありません。ただただ、台風が来ないように願うばかりです。 ◆ 今年は9月28日 稲刈り 感謝という思いを体験するには農業を体験することが一番でないかと思います。人間が自然・気象の前では、いかに無力であるか、そして、たわわに実った作物を前にした時、感謝せずにはいられないのでは。収穫の悦びから、自然への感謝が生まれます。そして、その作物の命を頂く時、自然と「頂きます」の言葉が生まれます。農業がごくごく当たり前の時代であれば、誰もが体験してきたことなのですが…。 |
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431号 2008年10月5日 (29)安心安全な日本酒・焼酎 消費者だれしもが望む『安心で安全で安価で旨い酒』。今回は酒の安心安全とは何かを考えてアドバイスしたいと思います。 ◆ 日本酒編 日本酒は原料として「米」だけで造る『純米酒』と醸造アルコール(焼酎)を添加してつくる『アルコール添加酒』の2種類に分類されます。日本酒にはさまざまなランクがあります。(純米)大吟醸、(純米)吟醸、純米酒、本醸造(本仕込)は、『特定名称酒』と呼ばれます。これらの原料米は食糧庁が認めた3等級以上の酒米を使用することが求められます。等級外の不良な米で、特定名称酒を造ることはできません。 ◆ 焼酎編 芋焼酎といえど、麹には「米」を使います。もちろん「米」焼酎は「米」だけで造ります。焼酎ももともとは地元でとれた国産米(地元米)で造られていました。昭和13年以降に、戦争の影響で米が不足するようになりました。上質な米を焼酎の原料にするのではなく、精米で発生する未熟な米(粒の小さな米)、胴が割れた米、少々色が付いた等級外の米で造るようになります。原料代は安価になります。現在、地元産の米を使って仕込む焼酎も出てきましたが、大半は食用米より安価な米が使用されています。安心、安全な焼酎を本当に選ぼうとするのであれば、きちっとした酒米を使用した酒蔵の焼酎を選ばなければなりません。 ◆ 安い酒にはわながある 事故米を転売した会社が最も悪いのは確かです。見抜けなかった農水省も悪い。私は酒蔵も悪いと思います。 |
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435号 2008年11月2日 (30)21世紀は日本酒の時代 〜がんばれ日本酒〜 ◆ 世界が認めた日本酒の世界 世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」(IWC)が今年もロンドンで開催されました。IWCは、1984(昭和59)年に創設された、世界で最も影響力がある品評会です。日本酒部門の最優秀賞「チャンピオン・サケ」に、出羽桜酒造 純米吟醸酒「出羽桜一路」(山形県天童市・出羽桜酒造)が選ばれました。 ◆ サケは日本が誇る文化 民はそれぞれの住む地域の穀物や果実で、さまざまな酒を作り出してきました。酒という飲み物は、それぞれの民族の文化の集大成といっても過言ではありません。世界の三大醸造酒として「ワイン」「ビール」「日本酒」が挙げられます。それぞれ、ブドウ、麦、米から作られますし、これらの酒を蒸留すると、「ブランディー」「ウイスキー」「焼酎」になります。 ◆ 21世紀は日本酒の時代 酒の評論家は言います。酒のヒット商品は百年に一度生まれると・・・。19世紀、人類を魅了した酒は「ワイン」でした。20世紀、人類を魅了した酒は「ビール」でした。では今世紀、世界の人々を魅了する酒は何か?もしかすると「日本酒」かもしれません。日本酒の魅力はさまざまあると思います。私は、1992年から熊本のいたるところで、日本酒の会を開催しています。美味しい酒を広めるという、一種の日本酒布教活動です。お燗にしても美味しい。冷やしても美味しい。いろんな香りが楽しめる。料理が美味しくなるなどなど。もう一つ、日本酒の最大の魅力は「比べ飲み」ができるということです。一度に2〜3種類の酒を比較しながら飲むことができます。これは最高に贅沢な遊びです。焼酎でやると、体が持ちません。ワインやビールは一つの料理に対して、一つの酒で楽しみます。これから、木枯らしが吹く季節を迎えます。どうぞ、あなた好みの日本酒を探してみてはいかがでしょうか。そして、今世紀、日本酒が世界の食卓を飾ったら・・・と密かに願っています。 |
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