三里木区 たわらや酒店 宇野功一
(157)たわらや酒店 リニューアルオープン
◆熊本地震の被害を乗り越えて
熊本の方にとりまして、あの揺れは「まさか」の一言でした。今、思い返してみれば、本当にゾッとします。
弊社・たわらや酒店が現在の旧国道57号線沿いでお店を構えたのは、1978(昭和53)年8月でした。戦後、昭和26年に祖父が復員後、酒屋を熊本市水前寺で創業。その後、父が菊陽町に引っ越し、酒屋を始めました。当時の三里木は、桜の古木が並び、家から駅まで建物は全くありませんでした。今とは比較にならないほどの田舎でした。
築40年の建物は、半壊との判定。本震直後は、ガラス、商品は割れ、お店はさまざまな酒が割れて悲惨な状況でした。
地震後しばらくは、開店休業状態。お酒を買いに来るお客様はゼロ。ひたすら、雑巾に割れたお酒を吸わせ、バケツで絞る作業を繰り返しました。雑巾にガラスが絡み、絞る時に指にガラスが刺さり、血が出るのです。それを見かねた、熊日菊陽販売センターの夕刊配達の方が、すぐにタオルや雑巾を約百枚、集めてくださいました。本当に嬉しかったです。私も同じように「何か報いることはできないか?」と考え、当時、避難所となっていた三里木町民センターや町内の避難所に夕飯の時に温かい食べ物を作り奉仕しました。
2018(平成30)年3月に被災した建物を解体して、プレハブの建物での仮店舗営業となりました。この1年9か月は心身ともに本当にこたえました。
◆ いよいよ新装オープン
弊社が心がけてきたこと。それは、伝統の日本の酒を醸す酒蔵から、直接お酒を仕入れ、定価で、品質のより良い状態でお渡しすることです。いよいよ12月12日(木)に新装オープンをする予定です。これまで日本酒・焼酎・梅酒に特化した売り場に加え、新しく国産のワイナリーが醸した国産ワイン、フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどから輸入した品質の高い地ワイン、国産のクラフトビール、輸入ビール、全国の酒蔵が推奨するお酒に合う肴(食品)の販売を開始します。
店に併設して、飲食スペースが生まれます。こちらの開店は年明けになりますが…。その場で、お酒とお料理が楽しめる情報発信のお店が生まれます。ご来店お待ち申し上げます。 |