矢原正治
(141)イネ(米) イネ科
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
神事では、正月に餅を用いた雑煮を食べ、神棚に鏡餅を供えます。餅は餅米から作ります。毎日食べるご飯は粳米(うるちまい)です。イネの種子を米(コメ)といい、薬用に用います。
・利用部位 市販の玄米、穀粒(こめつぶ) 粳米(こうべい)と言います。
・性質 平
・効果 下痢、腹痛、食欲不振に粥(かゆ)にして食べます。
・漢方薬処方 麦門冬湯(ばくもんとうとう)・附子粳米湯(ふしこうべいとう)・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
漢方では、胃腸を調え、元気を付け、口渇や下痢に使います。最近はご飯を食べているけれど、イネを見たことのない人もいます。私たちは食物から命(エネルギー)をもらうために「いただきます」「ごちそうさま」と言います。しかし、その命のもとがどのような形で出来るかを知っておくべきだと思います。
イネには、古代米として「緑米」「赤米」「黒米」があります。
赤米、黒米はアントシアンを含み、白米に少し赤米または黒米を入れて「赤飯」を作ることができます。緑米は、葉緑素を含み緑色をしています。
これらの米は縄文時代に中国から日本に伝わったと言われています。
日本ではあまり見ませんが、東南アジア諸国で現在も広く栽培されています。ちなみに、緑米、赤米、黒米は餅米の一種で、玄米のまま食べるのが一般的です。玄米(ぬかの部分)はビタミンB1を多く含み、ミネラル(必須元素)としてマグネシウム、亜鉛を多く含みます。
また、葉緑素(クロロフィル)には、血液循環改善による動脈硬化、貧血の改善、血中コレステロールを下げる効果があると言われています。葉物野菜には葉緑素がたくさん含まれていますので、もっと野菜を食べましょう。生の野菜よりも、熱を加え、料理して食べるとたくさんの葉緑素&植物の有用成分(血圧を下げるカリウム等のミネラル、植物繊維、抗酸化作用などのポリフェノール等々)を含みますので、野菜を少し多めに食べるようにしましょう。 |