三里木区 たわらや酒店 宇野功一
(147)日本酒新時代 泡のある日本酒
出羽桜 AWA SAKE 発売
◆日本酒新時代 泡のある日本酒
泡が出る酒といえば、フランスのシャンパーニュ地方で生産されるシャンパンが有名です。シャンパンは盲目の修道僧ドン・ペリニヨンによって生み出されました。白ワインを瓶詰めした後、少量の補糖をして酵母を入れ、コルク栓をします。すると瓶内で再び発酵が始まります。アルコールと炭酸ガスが生まれますが、コルク栓をしてあるため、炭酸ガスは水に溶け込み、泡の出るシャンパンになります。
泡の出るシャンパンは高貴なイメージがあり、世界中の女性を魅了してきました。日本酒でも、泡が出る日本酒の開発が進んできました。平成から新しい時代にふさわしい日本酒の世界を新年号でご紹介します。
◆泡に魅了されて昭和、平成、そして新時代へ
平成30年12月15日、「出羽桜 AWA SAKE」が、全国限定600本で発売されました。この酒は、AWA酒協会が定める厳格な基準のもとで製造された次世代の出羽桜。美しい一筋泡が立ち上がる、クリアなスパークリング日本酒です。シャンパンと同じように、瓶内二次発酵による自然の炭酸ガスを閉じ込めることが実現でき、きめ細やかな泡が心地よい口当たりを演出してくれます。
門外不出の吟醸酒を、手ごろ価格で商品化して、いち早く吟醸市場を先駆的に作り上げた山形県天童市の出羽桜酒造。吟醸酒の次に開発を進めていたのが、日本酒版シャンパン=泡のある日本酒の開発でした。
極秘に研究開発をしていた平成8年2月に、私が出羽桜酒造に訪問をして、この開発のことを知りました。当時、市販化されていない「微発砲 出羽桜 純米大吟醸」のことを、私は下記のようにメモしていました。
“(研究開発中の微発砲 出羽桜 平成8年2月) 日本酒業界でこれまで「にごり」や「澱(おり)」が絡んだ発砲性の酒はあった。この酒はにごりも澱もない発砲性の純米大吟醸。
泡を閉じ込めたまま瓶詰めするというのは簡単ではない。これまで10年間に及ぶ試行錯誤が繰り返されているが、市販化には至っていない。だから、この酒は知る人ぞ知る幻の酒なのだ。製造過程は公表されておらず、圧力をかけたタンクの中で発酵させ、炭酸が抜けないように濾過、瓶詰めしたようだ”
昭和、平成、そして新元号の時代と、脈々と新しい日本酒の開発が行われました。優雅に泡が出る日本酒がついに完成されました。平成最後のお正月、そして、新しい元号が生まれる時代の節目に、「出羽桜 AWA SAKE」で乾杯してみてはいかがでしょうか。
【出羽桜 AWA SAKE】
原料米:山形産 でわさんさん出羽燦々
度 数:13.5% 酵 母:山形酵母
価 格
箱なし 720ml・4500円税別
箱あり 720ml・5000円税別 |