矢原正治
(138)ハマナス バラ科
「知床旅情」という歌の歌詞の最初に『知床の岬に ハマナスの咲く頃 思い出しておくれ 俺たちのことを…』があり、北海道に行くと海岸の低木の木々がハマナスのことがあります。熊本でハマナスを見たい時は、味噌天神近くの熊本大学薬学部 薬用植物園に出かけてください。
ハマナスも薬用で、熟した果実で薬用酒を作り、疲労回復、低血圧、不眠などに、また食用にもなります。花弁は、通経、止瀉(ししゃ)作用があるといわれています。下痢止め、月経過多に、よく乾かした花弁を、1回量5gくらいを茶わんに入れて熱湯を注ぎ、温かいうちに飲みます。花びらおよび果実はジャムにして食べることもあります。また、根はタンニンを含み、染料として暗い黄赤色に染める「秋田八丈(あきたはちじょう)」に利用されます。さらに、ハマナスは皇太子徳仁親王妃雅子殿下のお印です。
9月中旬頃から、朝夕冷え込んできました。ヒガンバナの花も咲き出しました。
気温が5℃下がると、また20℃を切るようになると、背中を冷やして冬の風邪を引くことがあります。もし、背中を冷やしてゾクッとしたら、体力のある方は葛根湯を頓服ですぐ飲んでください。また、一服で汗が出ない時は2時間後にもう一服飲んでください。これでもし汗がでたら、飲むのを止め(絶対に飲み続けないこと)、温かくして養生してください。(汗を拭いて下着を着替えた方がベストです.。葛根湯を一日3回で飲んでも効果がないことが多いです)。体力のない方が葛根湯を飲むと、汗が出過ぎて止まらなくなることがありますので、十分注意してください。
◆食欲の秋
これから空気が乾いてきます。胃は湿気に弱く、湿度が高いと夏バテという食欲不振がおこります。しかし湿度が下がると胃の調子が少しずつ良くなります。秋に湿度が下がり、そのために食欲がアップするので「食欲の秋」と言われます。ただ、食欲の秋と言っても、夏に弱っていた胃に急に食べ物を入れ過ぎると、胃も弱りますので、少しずつ食べるのを増やしてください。夏バテのままの胃で冬を迎えると、免疫力が落ち、風邪を引きやすくなります。弱った胃をいたわり、冬までに普通に近い状態にしてください。
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