三里木区 たわらや酒店 宇野功一
(138)せごどん(西郷隆盛)も「びったまげる」芋焼酎
「野海棠」(のかいどう)
ようやく梅のつぼみが膨らみはじめました。早春の陽気に誘われて、先日2月18日(日)に日本一うまい芋焼酎蔵へ行ってきました。今月はその蔵と焼酎について書きたいと思います。
日本唯一の木槽(もくそう)仕込・木桶蒸留
今や、芋焼酎は日本の国酒として確固たる地位にあり、酒質も上々。そんな中で「これは〜旨い!」と感動を与えるスーパースターが登場しました。その銘柄は野海棠(のかいどう)です。
酒名は、酒蔵のある霧島の麓に咲く野海棠という花にちなんで命名。野海棠の酒質は、なんといってもまろやかさにあります。その旨さは
@手作りこうじづくり
A木槽を使ったもろみ発酵
B木桶による蒸留
C洞窟の中で長期熟成
です。
まず、こうじづくりは日本酒、それも大吟醸でも仕込むのだろうか、と思わせるこうじづくりです。
次に、日本で唯一の木槽によるもろみ発酵。焼酎のもろみは、伝統的な「カメ」仕込み、オーソドックスなものは「ほうろうタンク」「ステンレスタンク」で仕込まれます。しかし、野海棠は木槽で仕込まれます。木槽は厚さ7pの杉の木と組み合わせた容器です。カメやステンレスタンクと違い、木槽の最大の特徴は、素材が自然の木であるため、暑さ寒さという外的な要因がもろみの中に伝わりにくく、最後まで穏やかな発酵が、一年中、再現できるということです。
出来上がったもろみは、伝統的な木桶蒸留器によって蒸留されます。こうじづくりのもろ蓋、木槽によるもろみづくり、木樽による蒸留と、「木」の素材で仕込まれているのが特徴です。
最後は、カメ壺に入れて、蔵の脇の洞窟で、最低5年以上、じっくり寝かせます。甘い芋の香りをまとい、口に含めば、香りと同じく滑らかで甘味を帯びた味わいが口いっぱいに広がります。ほんのり木の香り。信じられないほど滑らかです。さすが、鑑評会で毎年上位入賞するわけです。そして平成28年度と29年度、2年連続、鹿児島県本格焼酎鑑評会総裁賞代表受賞。静かなブームを呼んでいます。きっと、こげなうまか芋焼酎を、せごどん(西郷隆盛)に呑ませたならば、びったまげらすどなぁ〜。
究極の芋焼酎・野海棠。新たな芋焼酎の世界感が発見できる逸品です。
【野海棠(芋)】
原 料 芋(黄金千貫)
麹 菌 白麹
蒸 留 常圧
度 数 25.0%
熟成期間 5年以上
価 格
1800ml 2,838円税別
720ml 1,429円税別 |