三里木区 たわらや酒店 宇野功一
(132)地酒途中下車 小海線 臼田駅(長野県)
今が旬 佐久の花「秋の純米吟醸」
◆「佐久の花」を醸す佐久の花酒造鰍ノついて
明治25年小海線三反田駅前(現・臼田駅)で創業。酒蔵の100m位西側に千曲川の清流があり、仕込み水は八ヶ岳からの清冽な伏流水で仕込みます。臼田は小さな街ですが、江戸時代は天領であった関係から、街の規模から比較すると造り酒屋の件数が多いです。長野県で開発された新しい酒米「ひとごこち(新美山錦)」と長野アルプス酵母をベースに、香りが高く繊細な新しい味わいで、一躍知名度を高めています。大吟醸から本醸造にいたるまで、手洗い、手造り麹を基調に新しい時代の酒を醸(かも)す銘酒「佐久の花」、信州の銘酒から全国の銘酒に羽ばたきます。
◆原料米「ひとごこち」について
「ひとごこち」は「白妙錦」を母とし、「信交444号」を父とした交配の組み合わせから育成された品種です。「ひとごこち」は穂の出る時期や実る時期は「美山錦」よりもやや遅いので、今まで問題となっていた、穂の実る時期の雀による食害を避けることができます。また、米の粒の大きさは「美山錦」よりも大きく、粒の厚さが厚いため収量は上回っています。「ひとごこち」は粒の中心の「心白」という白い部分が多く、また、大きくなるため、外観の品質が良く、お酒に加工しやすいという特徴を持っています。また、草丈が短いため「美山錦」よりも倒れにくく、いもち病や冷害にも強く、農家が作りやすい品種です。
「ひとごこち」の良さを十二分に発揮したお酒が佐久の花です。火入れは、瓶詰め一発燗火入れです。風味を損なうことなく、その後、ゆっくり壜内で熟成していきます。ソフトな酒質で、フルーティーで、すっきり辛口タイプに仕上がっています。
◆ひとあし早い「ひやおろし」
この度、新発売された「秋の純米吟醸」。読書の秋にちなんで、ラベルに楓の葉と本があしらってあります。ユニークなラベルです。
酒米は「ひとごこち」を59%に精白して、厳冬期に仕込み、できた純米吟醸を今年の3月に瓶詰め火入れしました。蔵内の冷暗なところで瓶詰めのまま約半年間熟成させて、この度、入荷しました。搾りたての炭酸ガスのチリチリ感がありますが、半年間瓶熟成させたことにより、新酒らしい爽やかさを感じる香りが迫り、吟醸香の高い酒に仕上がっています。しかも、熟成による滑らかな口当たり。新酒と熟成酒の良いところ取りの酒質です。口に含むと、香りの成分が口いっぱいに広がり、丸みを帯びた旨味が広がり始めます。新酒のフレッシュさ、お米の旨味、キレがよく、また口に含みたくなる芳醇・柔らか系の美酒です。秋のお料理のお供にどうぞ。
【佐久の花「秋の純米吟醸」】
原料米 長野県産 ひとごこち
精米歩合 59%
日本酒度 +1.0
酸 度 1.6
度 数 17.3%
酵 母 アルプス酵母
価 格 1800ml 2600円
720ml 1350円(共に税別) |