三里木区 たわらや酒店 宇野功一
(127)地酒途中下車 奥羽本線 天童駅下車
発砲清酒「咲」まさに日本酒のシャンパン
◆さくらの国の発砲清酒「咲(さく)」
「出羽桜 スパークリング日本酒 咲(さく)」。グラスに注いだ瞬間、シュワーッと軽やかな音が心地よく耳に入ってきます。軽快なクリアで爽快な飲み口は、その名の通り、一斉に咲き誇る桜のようです。しかし、爽快なだけではありません! 日本酒らしいコクと旨みも十分に楽しんでいただける味わいになっております!
◆約20年がかりで開発・発売
日本酒業界で「にごり」や「澱(おり)」が絡んだ発砲性の酒はこれまでに発売されていました。出羽桜が開発した発泡清酒「咲」は、常識を覆した全く新しい発砲清酒です。「にごり」や「澱」がなく、澄み切った発砲清酒です。まさに、日本酒のシャンパンが誕生しました。
この酒を発売するまでには、長年の研究の積み重ねがありました。出羽桜酒造が発砲清酒の市販化を目指し研究をしていることを、私が知ったのは平成8年2月でした。この時、出羽桜酒造を訪問して、夜、宿泊先で飲んだのが微発砲清酒でした。
泡(ガス)を閉じ込めたまま瓶詰めするというのは簡単ではありません。約20年間に及ぶ試行錯誤が繰り返されていました。瓶ごとにガスの圧力が違い、香味がなかなか均一にできないことなどから、市販化には至りませんでした。
製造過程は極秘。圧力がかけられるタンクの中で発酵させ、炭酸が抜けないように濾過(ろか)、瓶詰めしたとのことでした。それから13年…。2010 (平成22)年3月から出羽桜特約店の中で厳選された専門店で発売が開始されました。今や静かなブームとなっています。
◆発砲清酒「咲」の原料米
原料米は山形県が開発した酒造好適米「出羽の里」。特長は大きく二つ。心白の発現率が約90%と非常に高く(山田錦は約80%)、タンパク質の含有量が低いこと。結果、米をあまり磨かなくとも、アミノ酸度が低く、すっきりした酒に仕上がります。
使用酵母も山形県が開発した「TY−24」。酒にコク味をもたらす成分「チロソール」を多く生成する酵母で、アルコール分が低くとも、旨みとコクが十分に味わえます。「咲」は、これらの原料を用い、「純米」仕込みの“モロミ”を圧力密閉タンク内で二次発酵させ、炭酸ガスを封じ込めます。その後、炭酸ガスを吹き込み、発泡圧力を調整した後に瓶詰めし、瓶火入れします。なお、「咲」は炭酸ガスを添加するため、純米酒の表記は認められておりません。すべての炭酸ガスが、酵母に由来する場合のみ、特定名称酒表記が可能です。
今年の花見には、新しい香味の日本酒はいかがでしょうか。入荷数量が少ないため、お早めに!
【出羽桜 「咲」 発砲清酒】
原料米 山形県産 出羽の里(米・米麹)
精米歩合 65% 日本酒度 −9.0
酸 度 1.2ml アミノ酸度 度数 9.0%
酵 母 ●チロソール酵母 ●高生産性酵母TY-24酵母
価 格 250ml 税込 486円
≪オリジナルカクテルを造ろう≫
・「咲」3:100%オレンジジュース1
・冷た〜く冷やした「咲」にレモンやライム、シークワーサーなどを搾って。 |