三里木区 たわらや酒店 宇野功一
(121)菊の節句・お月見に「菊姫」
◆重陽の節句とお月見
歴史的な地震に見舞われた熊本にとって、今夏の酷暑はたいへん厳しいものでありました。9月になり、早く涼しくなって欲しいものです。古来より、9月にはお酒を飲む風習の日があります。
一つは9月9日の重陽の節句で、もう一つは十五夜です。(年によっては10月の場合もある)9月9日の重陽の節句は、菊の節句ともいいます。9は最も大きな数で、江戸時代ごろまでは、収穫の喜びを兼ねて最も盛大に節句を行っていたそうです。菊を酒に浮かべて飲み、不老長寿を願ったと言われています。
十五夜は旧暦8月15日の夜の満月をめでる行事です。今年は9月15日が中秋の名月です。新暦と旧暦はズレがあるため、15日に十五夜になるのはなかなかマレです。次回、9月15日が中秋の名月となるのは、30年後の2046年です。
◆太閤秀吉も菊姫ファンだった
9月にぴったりの日本酒、「菊姫」の創業は天正年間(1573〜1591年)ごろ。石川県白山市鶴来町にある菊姫は、霊峰「富士山」・「立山」と並ぶ日本三名山の一つである白山連峰の麓に酒蔵があります。古来より、芳醇な美酒と呼ばれてきた「加賀之菊酒」は、「太閤記」が伝えるところによると、太閤秀吉が醍醐の花見に、是非にといってわざわざ取り寄せたという誉れ高き天下の銘酒です。
◆9月は「菊姫特選純米」純米酒の最高峰
菊姫の酒は、山廃酒母を使用した濃厚で飲みごたえのある酒と、速醸酒母を使った口あたりの良いまろやかなタイプに大別できます。この特選純米は後者のタイプで、山田錦ならではの、たっぷりとした旨みを味わうことができます。とくに、濃い目に味付けされた料理との相性は抜群で、ついつい飲みすぎてしまう美味しさ!菊姫純米酒シリーズの中では最高峰に位置する酒です。ラベルは昭和初期からのデザインのものを踏襲しています。
夏の時期はさっぱりした香味の酒を好んで飲んでいた方も、秋の時期には芳醇で旨みのある酒がおいしく感じるようになります。秋の夜長、重陽の節句や中秋のお月見に「菊姫」のお酒はきっとおいしく飲めると思います。500年の歴史を超えて銘酒「菊姫」で乾杯。
【菊姫 特選純米酒】
合資会社菊姫 石川県白山市鶴来町
酒米:兵庫県三木市吉川町・特A地区産
精白歩合:65%
日本酒度:非公開 酸度:非公開
2〜3年熟成酒・複数年ブレンド
1800m l3100円(税別) 720ml 1550円(税別)
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