自主避難所を立ち上げて
4月の熊本地震の際、自主的に避難所を開設し住民たちが運営した菊陽杉並台区の大山 實区長と田中修二公民館長にお話しを聞きました。
◆いつから開設されましたか
4月14日(木)午後9時25分の前震後の午後9時50分からです。地区コミュニティセンターを避難所とし、区内の避難行動要支援者や一人暮らしの高齢者宅の安否確認をすぐに行い、受け入れ準備を始めました。その夜は88人が避難しました。
◆炊き出しもされたんですね
その夜からご飯を炊き、避難されていた方自らおにぎりを作りました。以前からあった電気釜と2月に購入していたガス釜が大活躍しました。自宅に余裕がある方には、米、味噌、コンソメなどを持参してもらい、公園で車中泊された方にも配り、4月20日(水)まで続けました。米、パン、野菜、果物などの差し入れや、名古屋のボランティアが水や粉ミルクなどの支援物資をトラックで届けてくれたこともあり有難かったです。
◆役員さんの動きは
区長、公民館長をはじめ地区役員で何度もミーティングをしましたが、自宅も大変な状況だったので各組長さんには特別の招集はしませんでした。役員は、町役場や町民センターへ出かけて情報収集に当たり、町指定避難場所が満杯状況であることを知りました。またすぐに、空き巣対策として区内の見回りも行いました。
◆SNS発信を活用されたんですね
区住民のツイッター発信で全く知らない方から、宅配便での支援物資やアマゾンを通じて水などの支援物資が届きました。
◆衛生状況は
おにぎりを作るときは衛生帽子、手袋、マスクを着用し、避難者にマスクを配布したり消毒用アルコールを設置したりしました。また、看護師や薬剤師資格を持つ方の協力や、区内の方の整体マッサージのボランティアもありました。
◆いつまで開設されましたか
4月23日(土)で閉鎖しました。のべ311人が宿泊。炊き出しを食べた方や車中泊の方はもっといらっしゃいました。たくさん届いた支援物資は、まだ水の出ていない地区へ提供しました。
28日(木)の役員ミーティングで、経緯の整理と今後の防災組織について協議し、文書にまとめて回覧板で区民に経緯を見てもらいました。
◆お疲れ様でした
田中公民館長は「昨年オープンしたこのコミュニティセンターは、指定避難所から遠い杉並台区で何かあったときには避難所に、との趣旨をもって設立されたので、今回思いがけず使うことになりましたが活用できよかったです」と話されました。また、大山区長は「役員のチームワークがよく、また避難者も協力的でした。区民の方の特技を活用できて良かったです。日頃の近所付き合いの大切さを強く感じました」と話されました。 |