(12)よしもと小児科医院 吉本寿美
子どもの事故について この10月で当院も開院1周年を迎えます。その間、病気の方はもちろんですが、事故の患者さんも多く来院されました。なかでも、誤飲や打撲などのお子さんが多く受診されました。
まず最も多かったタバコ誤飲の場合ですが、いつ、どのような性状(葉か吸い殻か、浸出液か)のものをどの程度食べたか確認しなくてはいけませんが、ほとんどは親の見ていないところでの出来事ですからわからないことが多いようです。
以前は不必要な胃洗浄をやっていましたが、現在はほとんど行いません。もともと美味しいものではないので、そう食べられるものではありません。2センチ以上食べたとか浸出液を飲んだ場合には胃洗浄も必要となってきますが、基本的には手を使って吐かせる以外の処置は不要です。その他では、ボタン電池、おもちゃ、灯油など誤飲したケースもありますが、処置がいろいろ違いますので、まずは受診されて下さい。
また、以前経験した例では、呼吸停止で運ばれてきた子どもが実は10円玉をのどに詰まらせて窒息していたというようなこともありました。
また、転落事故の赤ちゃんもよく受診されます。「キャリーバッグ」から落ちたとか、ベッドから落ちたとかが多いようです。大丈夫なことがほとんどですが、うっかりでは済まされない事態になることもありますから、十分注意が必要です。
その他には、夏場に多いと思われがちな溺水は以外と寒くなってからも多く、開業前には自宅の風呂場での溺水を時々経験しました。お湯を残したままにしておいたら、ふたの上で遊んでいて子どもが落ちていたというケースはよくあります。小さい子どもさんがいらっしゃるところは、風呂のお湯は残さないようにして下さい。
病気は仕方のないことですが、事故は結局は親の不注意で起こるものです。子どもは大人が思いもつかないことをしますので、小さなお子さんのいらっしゃるご家庭は安全な環境作りに気を配られるようお願いします。 |