高畑圭輔


410号 2008年4月27日

(1)未成年者のインターネット利用

 最近未成年者が出会い系サイトなどの利用で、犯罪に巻き込まれる事件が増えています。

 携帯電話やパソコンで、子どもでもインターネットに簡単にアクセスできるため、保護者の目の届かない所で出会い系の利用もあるようです。パソコンでのインターネット利用については徐々に認識が広がり、フィルタリングソフトの利用などが増えてきていますが、まだまだ利用されていない家庭も多いようです。フィルタリングソフトを導入すると、インターネットの利用に制限をかけることができ、教育に良くないホームページを表示させないようにすることができます。設定も“小学生向け”“中学生向け”と言ったようにお子様の年齢に合わせた設定をすることができるようになっています。また、細かく指定したホームページだけ表示させる事も可能です。

 フィルタリングソフトには閲覧の規制以外にも便利な機能があり、お子様がいつ、どのホームページを見たかの記録を取る機能もあります。フィルタリングソフトを導入すると、お子様の教育だけではなくセキュリティの面でも効果が見込めます。

        見ないほうが良いホームページを規制することにより、悪意のあるプログラム“スパイウェア”やウイルスなどの進入を防ぐことができます。お子様のいらっしゃる家庭ではスパイウェアの感染件数が増えています。スパイウェアは一度感染すると、ウイルス以上に削除が難しく、個人情報の漏洩や詐欺サイトへの誘導などを行うので注意が必要です。最近は携帯電話会社でもフィルタリングサービスを行っているので、お子様に携帯電話を持たせていることが不安な方は携帯ショップで一度ご相談されると良いでしょう。

413号 2008年5月25日

(2)ファイル共有ソフトの危険性

  最近、インターネットでよく利用されているファイル共有ソフトの利用者が逮捕される事件がありました。

 ファイル共有ソフトには代表的な物で「Winny2」・「share」・「WinMX」・「LimeWire」・「Cabos」・「Shareaza」などがあります。インターネットから無料でダウンロードできるこれらのソフトは、不特定の利用者とパソコンのデータを共有し交換することを可能にした物です。インターネット上で共有されているデータの多くは著作物であり、これを送信することは「公衆送信権の侵害」にあたります。利用者の多くは犯罪意識が希薄であり、違法行為の意識がまったくない人もいます。

 ファイル共有ソフトの利用による著作権物の送信は犯罪であるだけでなく、ウイルスの進入や、情報漏洩の窓口になることも少なくありません。
 世間を騒がしている情報漏洩の多くはこのファイル共有ソフトに起因しています。ファイル共有ソフトの利用による逮捕者は後をたたず、逮捕者の多くは10代〜20代の若者です。現役高校生の逮捕者も出ています。
 これらの行為は犯罪であるだけでなく、既存の著作権に関するビジネスモデルを破壊する物であり、音楽や映画、テレビ放送といった業界に大打撃を与えています。著作権侵害行為が続けば業界は衰退し、我々視聴者にも不利益が発生します。

          お子様がいらっしゃるご家庭では、一度著作権について話し合ってみてはいかがでしょうか?

418号 2008年6月29日

(3)ITを使ったエコ 文書のデジタル化

 最近は環境問題が身近な問題になっていますが、ITを積極的に利用することにより環境に優しく生活することができます。
 例えばFAX。一枚の文書を送信するのに使う紙ですが、送信者が本文と送付状で2枚、受信者が2枚。合わせて4枚の紙を消費します。これを印刷せずにパソコンから直接FAX送信すると送信者側の2枚を節約できます。もちろんパソコンで受信もできるので、そうなると受信者側の2枚も節約でき、紙を全く消費する事なくFAX送信が可能なのです。使うのは電話代だけで済むわけですね。そもそもメールで送信すれば電話代もかからないのですが。
 この機能はWindowsに標準で搭載されてますので、パソコンにモデムが付いていれば設定するだけで利用できます。もっと便利に使えるFAX用のソフトもあります。
 また、最近のNASサーバー(ネットワークに接続してデータを保存する装置)の低価格化などにより、中小企業でも文書のデジタル化が進んでいます。文書をデジタル化して社内で共有することにより、紙の節約に加え、業務の効率化を図ることもできるのです。
 次回は「ITを使ったエコ 無料音声通話」です。


422号 2008年7月27日

(4)無料音声通話

 パソコンを使えば音声通話を無料で利用できます。有名なソフトだと、「Skype」や「Yahoo!メッセンジャー」「MSN Liveメッセンジャー」などがあります。これをよく使うパソコン同士で登録しておくと、パソコンを通じて音声通話が可能です。
 パソコンにPCカメラを接続すれば顔を見ながら会話をすることも可能です。
 また、複数人での通話もできるので遠隔地にいながら顔を見ながら会議をすることもできるのです。会議をするために車を利用して集まったりする必要もなく、従来の会議システムのように高価な機械を買う必要もありません。電話回線を利用した会議システムとは違うので電話代も不要です。
 この手のソフトにはファイル転送機能なども付いているので、ファイルを送信してお互いに資料を見ながら会話するなどといった使い方ができます。ビジネスユーザーの多くはこういった使い方をしているようです。
 もちろん写真も送れるので遠方に住んでいる家族と写真を見ながら会話したり、カメラで顔を見ながら会話するのもいいですね。マイクは安いものであれば1000円位からありますし、カメラも3000円程度の物で十分綺麗に写ります。
 また、電話のような感覚で利用できる受話器型のマイクもあります。この手のマイクだと、通話音声は受話器から聞いて、その他の音声はパソコンのスピーカーから流す、といった使い方ができます。
 利用するにはブロードバンド環境が必要なので、ADSLや光インターネットを利用している方にお勧めです。遠方のご家族とのコミュニケーションや、仕事の効率化などに役立ててみてはいかがでしょうか。


430号 2008年9月28日

(5)WindowsVistaメモリの最適容量

 ここ半年ほどでメモリの価格が暴落しています。原因はWindowsVistaの普及による、大容量メモリの大量需要によるものです。WindowsXPの時代はメモリは標準で512MB、多い物でも1GB(1GB=1024MB)程度もあれば快適に利用が可能でした。しかし、Vistaになってからは最低でも2GB、理想的には4GBは搭載するようになってきています。
 なぜWindowsVistaになってこれほどの大容量メモリが必要になったかというと、一番の要因としてはグラフィック性能の向上によります。パソコンで最も処理に時間がかかるのが画像処理です。パソコンには画像処理をCPU(中央演算装置)で行うタイプと、GPUと呼ばれるグラフィック処理専用のチップを利用する物とに分かれます。Vistaは標準でGPUの搭載を推奨しています。VistaはXPに比べてグラフィック処理の最適化が行われており、GPUを搭載する事で飛躍的に動作スピードが向上します。Vistaがインストールされているパソコンを購入する際は、従来スペックの指標であった「ハードディスク容量」「メモリ容量」「CPU処理速度」この3つに加えてどの程度のGPUが搭載されているかもチェックする必要があります。
 もし、グラフィック性能が低いまま利用するとAeroと呼ばれるVistaからの新機能が動作不可能になってしまいます。これではせっかくVistaのパソコンを購入しても魅力が半減してしまいます。GPUが搭載されていないパソコンにいくらメモリを増設しても十分な性能が発揮できません。それなりのGPUが搭載されていれば、たとえメモリが2GB程度だったとしてもそこそこ快適に利用できます。
 メモリ増設を検討する場合は、ご自分のパソコンに搭載されているGPUを確認してから増設するメモリ容量を決定することをお勧めします。


434号 2008年10月26日

(6)気温差によるパソコンの故障

 最近急に寒くなったり、暖かかったりしますが、この環境はパソコンには非常に良くありません。パソコンに多く使われている半導体や金属部品の故障を引き起こす原因になるからです。気温差が大きいと部品が急激に熱膨張をくりかえし、それが原因で部品に小さな亀裂が入ったり、歪みが生じて基盤から半導体が剥離したりハードディスクに傷がついたりします。
 また、気温差でパソコン内部に結露が生じ回路がショートしたりする事もあります。特にノートパソコンを持ち歩いている人は注意が必要です。寒い所から急に暖かい暖房がついた部屋に入ると高確率で結露します。これは今から冬場にかけて特に多く起こります。寒い所から帰ってきた場合はすぐにカバンからパソコンを出したりせずに、カバンに入れたまましばらく置いておき、ゆっくり室温に慣らしてから使用するようにしましょう。
 デスクトップパソコンは直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所に設置するようにしましょう。


438号 2008年11月23日

(7)プリンターの目詰まりに注意しましょう

 今年もあと1ヵ月余りで終わってしまいますが、みなさん年賀状の準備はお済みでしょうか?
 最近は年賀状もパソコンで作るのが当たり前のようになってしまいましたね。しかし、この時期一番多い問い合わせが「プリンターから印刷できない」というものです。インクジェットプリンターは液状のインクが充填されているのですが、しばらくプリンターを使わないでいると、インクヘッドと言われる部分でインクが乾燥して固まってしまいます。インクジェットプリンターはインクヘッドのノズルからインクを噴出して印刷をするので、この部分が固まってしまうと、インクが正常に噴出しません。
 症状としては「プリンターは動くのに紙に何も印刷されていない」「色がおかしい」「線が入る」などです。多くの場合はヘッドクリーニングを行うと解消されます。しかし、ノズルのつまりがひどい場合はヘッドの交換が必要になる場合もあります。ヘッドの交換はメーカーによって自分でできる物とできない物があります。キャノンはヘッドだけ交換できます。HPはインク自体にヘッドが搭載されているのでインクを交換すればヘッドも新品になります。エプソンは残念ながらメーカーへ修理に出す必要があります。
 年末ギリギリになって年賀状を作ろうとして、印刷できずに慌てて修理をお願いされる方が毎年いらっしゃいます。年末に慌てないでよいように、今のうちに一度プリンターの調子を確認しておきましょう。


443号 2008年12月28日

(8)年賀状ソフト

 今年も残りわずかになってきました。12月は年賀状作成の為に、家庭でのパソコン利用率が一番高くなる時期です。年賀状を作るときは主にはがき作成ソフトがよく使われます。種類が多いので今回は人気ランキングを発表いたします。

1位:「筆まめ」
 定番のソフトですね。パソコン購入時にバンドルされているので使ったことある人も多いでしょう。初心者にはわかりやすい作りになっています。

2位:「筆王」
 これもよくバンドルされています。定番のはがきソフトの中では一番多機能です。その分なれるまで使いにくいと言われることも。

3位:「筆ぐるめ」
 筆まめ、筆王と並んではがきソフトのBIG3です。使い勝手は筆王と筆まめの中間と言ったところでしょうか。

4位:「宛名職人」
 ランキング内で唯一マッキントッシュ版があるソフトです。売れているのもマッキントッシュ版が多いのでマックユーザーでは定番なのでしょうか。

5位:「楽々はがき」
 ランキングの中で一番安価です。機能も基本的な物に絞り込まれているので使い勝手も良いです。あまり凝った物を作らないなら十分な性能です。

 はがきソフトは使い慣れている物がやはり一番です。ランキングTOP3は機能的な差はほとんどないと考えてよいでしょう。データの相互移行もできるので色々試してみるのも良いかもしれません。


450号 2009年2月22日

(9)インターネットの匿名性と危険性

 先日、芸人のスマイリーキクチ氏のブログに誹謗中傷を行った18名が検挙されるニュースがありました。検挙される例はあまり多くないですが、この手の誹謗中傷は日常的に行われています。
 この誹謗中傷は、受けた方に大きな精神的な負担を与えます。特に今回の件は根も葉もない噂を本気にして行われたもので、しかも凶悪犯罪に関与していたという悪質な内容です。また、たとえ事実であっても誹謗中傷は犯罪です。この手の事件では加害者側に「犯罪の意識がなかった」という供述を目にします。確かにパソコンに向かって書き込みをやっているので、そういった意識は希薄でしょうがインターネットの向こう側には間違いなく別の人間がいる事をわすれてはいけません。
 また「やっても捕まらないと思っていた」という供述もあるようです。
 残念ですが、インターネットに匿名性は皆無です。インターネットは「だれが」「いつ」「どこから」「どこに」「どのようなパソコンで」アクセスしたかという情報が全て記録されています。もちろん一般に公開されるわけではないですが、警察からの要請があれば提出され犯罪捜査に利用されます。実社会で罪を犯すよりも確実に犯人を特定できるのです。
 インターネットは、人間と人間のやりとりです。十分に注意して利用しましょう。


454号 2009年3月22日

(10)インターネットの動画配信サービス

 最近になってようやく利用者が拡大してきたビデオ・オンデマンドサービス(VOD)ですが、特に人気なのが「アクトビラ」とNTTの「ひかりテレビ」です。
アクトビラ http://actvila.jp/
ひかりテレビ http://www.hikaritv.net/
これらのサービスが普及してきた理由として、光ファイバーなどの高速インターネットが普及して来たこともありますが、一番の理由はパソコンではなくテレビで見る事ができるという点だと思います。
 パソコンで利用できるVODサービスは、NTTのフレッツスクエアやGyaoなど数年前から存在しました。しかし、これらは「視聴する際にパソコンを起動しないといけない」「画質があまりよくない」「パソコンの小さい画面で見ないといけない」といった点で不便でした。これらを改善した上記のサービスはパソコンの操作が苦手な方などにも受け入れられたようです。
 アクトビラは対応しているテレビにインターネット回線を接続すれば、特に申し込みの必要もなく利用できます。回線はどこの会社の物でもつかえます。利用料金はクレジットカード、ソネット払いが利用できます。ひかりテレビは利用している回線がNTTの光ファイバーのサービスである必要があります。また事前申し込みが必要で、申し込みは契約プロバイダーやNTTに申し込む必要があります。ひかりテレビを申し込むと専用のチューナーが届くのでそれをテレビに接続して利用します。利用料金は「プロバイダー利用料金と合算」「後払い」「口座振替」などから選べます。
 どちらのサービスも一部動画についてはHighDefinition(高精細画質、通称「ハイデフ」「HD」)での配信も行われているので画質は大幅に向上しています。
 動画の配信料金は全般的にひかりテレビの方が安いようです。ただし、ひかりテレビは月々の基本料金がかかるのに対し、アクトビラは利用した分だけの利用料金になります。またアクトビラは大型の最新のテレビしか対応しておらず利用環境が限られますが、ひかりテレビはほとんどのテレビで利用することができます。映画のタイトルは重複しない物も多いので好みに応じて両方のサービスを使い分けると良いかもしれません。


459号 2009年4月26日

(11)XPサポート終了とVista飛ばし

 WindowsXPとOffice2003メインストリームサポートが4月14日で終了しました。これからはWindowsXPとOffice2003のサポートは「有償の延長サポート」と「セキュリティ更新プログラムの提供」のみとなります。有償の延長サポートは2014年4月8日まで提供されます。
 サポートが終了したので今後はWinowsXPについてマイクロソフトに問い合わせをしてもサポートしてもらえません。しかし、セキュリティパッチやバグフィックス(不具合修正)は継続されるので、サポートが必要でないユーザーには特に問題はないかと思われます。
 しかし、これによりWindowsXPのユーザーは今後2つの選択肢で悩むことになります。それは「現時点でWindowsVistaへ移行するか」それとも「Windows7の発売を待つか」という事です。Windows7は2010年初頭の発売が予定されている、Vistaの次のOSです。7はVistaのように新規開発されたOSというよりもVistaの改良版といった位置づけのようです。これはXPが2000のマイナーバージョンアップであった状況と似ています。そこでユーザーは「Vistaの改良版が出るのならば7まで待ったほうが良い」と考えるようです。これが「Vista飛ばし」といわれる行為です。
 長年Windowsを利用しているユーザーの間では「新しいWindowsは発売から1年経過してから(もしくはサービスパックがリリースされてから)使え」といわれます。
これは出たばかりのOSは不具合箇所が多く、互換性の問題もあり色々な問題に遭遇しやすいためです。しかし7は、2000 のマイナーバージョンアップだったXPが発売当初から比較的安定的だったように、Vista発売時のような大きなトラブルは発生しないと考えられます。そうなると発売予定まであと1年程度と見られる7を待つ人も多くなるわけです。ですが、VistaもSP1がリリースされてから比較的安定稼動しているようですし、わざわざ7まで我慢する必要もないかと思います。
 個人的には2011年ごろ(7が発売されてから1年程度)に、Vistaの導入をすると非常に快適に利用できるのではないかと思います。
※筆者はVistaとXPと2000を用途別に利用しています。


467号 2009年6月28日

(12)TwitterとTimelog

 Twitter(ツイッター)というサービスがあります。これはチャットとブログを足して割ったようなサービスでちょっとしたひと言を書き込んで使います。だいたい「今○○してる」とか「今日のお昼は○○を食べた」といった風な事を書きます。他人の書き込みを見ることもできます。
 気になる人の書き込みをチェックするフォローという機能を使えば、フォローしている人の書き込みを一覧で確認できます。フォローするのはだれの書き込みでもできるので著名人の書き込みはフォローする人が多いようです。
 先日、元ライブドア社長の堀江氏がTwitterを始めたそうで、登録から3時間で2000以上フォローされたようです。現在は10000弱されているようです。
 同種のサービスでTimelog(タイムログ)というのがあります。日本版Twitterなどと言われています。こちらはもうちょっと多機能で書き込み非公開にしたり友人のみ公開したりできるので、防備録代わりに使えます。フォローなどの機能はあまり変わりません。
 チャットほどのリアルタイム性もなく、ブログほどしっかりと書く物でもない。このサービスの人気はそういった気楽さにあるのだと思います。
 気楽につぶやけるツールとしてみなさん利用されてみてはいかがでしょうか?
http://timelog.jp/ (Timelog)
http://twitter.com/ (Twitter)
 ちなみに私のIDは両方とも[keisuke111]です。


471号 2009年7月26日

(13)新しいOS達

 次期WindowsのWindwos7(RC版)を導入してみました。7はVistaの改良版という事もあり、Vistaで動作するソフトや周辺機器は問題なく動くようです。7の売りはなんと言ってもその軽快性です。Vistaからアップグレードするとかなり快適になります。XPが問題なく動作しているパソコンであれば7の導入は問題なくできると考えて良いでしょう。マイクロソフトの製品は「出てすぐは買わないほうが良い」とよく言われますが、7に関してはすぐに購入しても良いでしょう。メーカーからは今Vista搭載のパソコンを買うと7へのアップグレード権が付いてくるようです。(詳しくは電器店などで)。
 一方、先日Googleから新OSの発表がありました。Googleの携帯用OSのAndroidは既に製品も発売されてますが、今回発表されたのはパソコン用のOSです。Google が言うには古いシステムを捨てた新しい設計のため、ウイルス感染などの心配はないそうです。Googleらしく、すべてのアプリケーションをWEBベースで動作させることを前提としており、今後ソフトウェアの開発環境にも影響を与える事は間違いありません。また、オープンソース(プログラムコードが公開されている)であるため、ユーザーが自由にOS自体をカスタマイズすることもできます。ですので、各メーカー毎にカスタマイズされたOSがリリースされるかもしれません。実際にGoogleOSが搭載された製品が出てくるのは2010年末ごろのようです。
 この製品のリリースによりインターネットがさらに便利に使えるようになるかもしれません。今のうちにGoogleのサービスを研究しておいてGoogleOSに備えておくのも良いかもしれませんね。


475号 2009年8月30日

(14)HDDとSSD

 パソコンにはデータを保存するための装置が搭載されています。一般的にはハードディスクドライブ(HDD)が利用されてきました。
 HDDは磁気を利用したドライブで原理としてはレコードと同じです。ディスクに内蔵されている円盤(プラッタと言います)が1分間に5400〜7200回転し、それを磁気ヘッドで読み取っています。磁気を利用するのでパソコンの電源を切ってもデータを保持しておく事が可能です。今まではほとんどのパソコンがHDDを搭載していたのですが、最近は新しいソリッドステートドライブ(SSD)と言われる物が登場しています。これはHDDのように円盤をヘッドで読み取る旧来の方式ではなく、フラッシュメモリと呼ばれる電気的な記憶媒体を装置内に敷き詰め利用します。
 SSDが登場してきた理由としてHDDの大きな問題点が2つあります。1つは故障が多い事です。HDDは1分間に5000回転以上という高速回転をしている物体を磁気ヘッドで読み取るという性質上衝撃に非常に弱いのです。読み取り中に衝撃が加わるとプラッタに傷が付いたりしてデータが破損してしまいます。また磁気ヘッドを載せているスイングアームが動作しているのでこれも故障の原因になります。2つ目の理由として、HDDは回転している物体を読み取るので必要なデータが記憶されている部分が磁気ヘッドが接触する部分まで回転してこないと読み取る事ができません。時間的なロスが大量に発生しているのです。この2つの問題を解決したのがSSDです。電気的にデータを読み取るのでプラッタやスイングアームといった動く部品がないので機械的な故障が少なくなり、読み取りに時間的なロスが発生しません。SSD搭載の課題としてはSSD自体の値段がまだ高い点が挙げられます。しかし、流通量が増えるに従い大容量低価格化が進んでおり、いずれはSSD搭載が標準となるでしょう。
 デスクトップパソコンではシステムドライブにSSD、データ保存用にHDDを搭載するマシンが増えてきています。SSDを搭載すればパソコンはもっと速く、もっと壊れにくくなります。これからパソコンを購入される方は搭載されているドライブの種類も確認するようにしましょう。


479号 2009年9月27日

(15)Windwos7まもなく発売

 

 Windows7の発売まで後1ヶ月程度となりました。(windows 7の発売日は10月22日です)発売前に一度おさらいをしておきましょう。

◆4つのエディション
 Windowsは通常いくつかのエディションが発売されますが、7も例外なく4つのエディションが発売されます。
◇Windwos7 Starter(スターター)
 これは製品バンドル専用で通常パッケージとしては発売されません。全機能搭載版です。
◇Windows7 Home Premium (ホームプレミアム)
 家庭での利用を想定したエディションです。写真や音楽、動画などを楽しむため、エンターテイメント性の高い仕様になります。
◇Windows7 Professional (プロフェッショナル)
 ビジネス用途を前提としてエディションです。データの暗号化やバックアップなどの機能が搭載されています。また、ドメインへの参加が必要な場合こちらのエディションんを選択する必要があります。
◇Windows7 Ultimate (アルティメット)
 すべての機能が搭載されたエディションです。ハードディスク全体の暗号化やUSBメモリの暗号化などより強固なセキュリティが利用可能です。また多言語への設定変更も可能です。

 なお、Windows7のパッケージ製品はVistaと違い、32bit版と64bit版両方のDVDが同梱されています。自分のパソコンに適合したDVDを利用するようにしましょう。

◆バージョンアップ対象製品
 旧製品からのバージョンアップは以下の製品からのバージョンアップが可能です。
◇WindowsXPの各エディション
 新規インストールのみ対応
◇WindowsVistaHomeBasic
 7HomePremium,Ultimateへのアップグレード、新規インストールが可能。Professionalへのアップグレードは新規インストールのみ対応。
◇WindwosVistaHomePremium
 HomeBasicと同様。
◇WindowsVistaBusiness
 Professional,Ultimateへのアップグレードが可能。HomePremiumへのアップグレードは新規インストールのみ対応。
◇WindowsVistaUltimate
 Ultimateへのアップグレードが可能。HomePremium及びProfessionalへは新規インストールのみ対応。


483号 2009年10月25日

(16)WiMAXによる新しい移動体通信

 熊本でもWiMAX(ワイマックス)という新しい通信サービスがもうすぐ開始されます。提供されるサービスは「モバイルWiMAX」といわれる移動体通信向けのサービスです。ノートパソコンにWiMAX対応のデータカードを取り付けることにより、電波の届く範囲であれば、下り40Mbpsでの高速通信が可能になります。
 WiMAXが普及すれば、今までADSLや光インターネットが提供されていなかった地域でも高速インターネットの利用が可能になります。
 現在WiMAXサービスを提供しているのは、UQ Communications(ユーキューコミュニケーションズ)という会社だけですが、提供する会社は徐々に増えていく予定です。
 KDDIは、WiMAXと3G(携帯電話で利用されている通信技術)の両方を利用可能なデータカードを発表しており、これを利用すれば「WiMAXが利用できる範囲ではWiMAXを使い、それ以外の地域では3G接続を利用する」といったことも可能です。
 また、各パソコンメーカーからは、WiMAX端末を内蔵したノートパソコンなども発売されています。
 UQ CommunicationsでのWiMAX利用料金は「4,480円(税込)/月」となっています。熊本での提供開始は、熊本市内を中心に2009年末までに開始の予定です。
 自宅に固定電話が必要ない方や、モバイルでの利用がメインの方はWiMAXの利用を検討されてみてはいかがでしょうか?詳しくは、UQ Commumications のホームページ  http://www.uqwimax.jp/
をご覧下さい。


487号 2009年11月22日

(17)Windows7注目機能@

 先月発売されたWindows7ですが、今回は使い勝手を重視した変更が多く、かなり好評のようでVistaが発売された時の2倍近いペースで売れているようです。
 7で変更になった注目の機能をいくつかご紹介しましょう。
●ガジェットの配置の自由度がアップ
  Vistaでは、画面右端のサイドバー内にしか表示できなかったガジェットが、好きな場所に配置できるようになりました。ガジェットの表示/非表示の切り替えも、マウス操作だけで手軽に行えます。
●通知表示のシンプル化
  今までタスクバーの右端の、大量に表示されていたアイコンや、時刻表示が簡素化されました。必要な情報だけを、表示させるように設定することが可能になりました。
●マウスジェスチャーへの対応
  今までブラウザ等の1部ソフトでは、利用されていたマウスジェスチャーを、標準で搭載しました。マウスジェスチャーというのは、マウスを特定の法則で操作すると、あらかじめ設定しておいた動作を行うことです。操作になれると非常に効率よく、パソコンを操作することができます。
●XPモード搭載
  プロフェッショナルとアルティメットに搭載されている機能ですが、これを使うとなんと、Windows7上でWindowsXPを起動することが可能です。対応しているハードがあれば、マイクロソフトから「ヴァーチャルPC(パソコン環境を仮想化するソフト)」と「XPモードツール」を、ダウンロードしてインストールすれば、利用が可能になります。新しいOSが発売された直後は、今まではメーカーからドライバの提供がなかったり、ソフトが非対応で使えない、なんて事もありましたが、この機能を使えばあらかじめ互換チェックをする事ができまます。
●ジャンプリスト
  タスクバーの上に、よく使う機能を「ジャンプリスト」として登録することができます。従来のクイック起動に似ていますが、アイコンでなくリスト表示でき、スタートメニューにも表示させることができるので非常に便利です。

 今回紹介させてもらった他にも沢山の機能が追加され、非常に使いやすく仕上がっています。次回もこの続きをご紹介させていただきます。お楽しみに!


492号 2009年12月27日

(18)Windows7注目機能A

●エアロの機能向上
 エアロの機能が向上し、使い勝手がよくなっています。
 エアロスナップ:タイトルバーをドラッグして操作する方法です。ウィンドウの拡大縮小をすばやく行うことができます。
 デスクトッププレビュー:ウィンドウでデスクトップやガジェットが隠れてしまっている時に表示させる機能です。画面右下のボタンにポインタを合わせると全ウィンドウが透明化されます。
 エアロシェイク:複数のウィンドウを開いている時に、タイトルバーをドラッグし左右にすばやく振ると他のウィンドウが最小化されます。

●ウィンドウズタッチ
 対応しているディスプレイが必要ですがマルチタッチでの操作にも対応しています。対応ディスプレイを2本指で操作できます。指でウィンドウを操作したり、指を広げて画面サイズを変更したりとマウス操作が苦手な人にも簡単に操作できます。iPhoneなどをご利用の方には馴染みのある操作方法ではないでしょうか?今回OSレベルで対応したことにより、特に設定などの必要もなく対応ディスプレイを接続するだけで利用可能です。

●進化したエクスプローラ
 Vistaでの使用変更で不評だったエクスプローラも改善されています。ファイルの種類に応じて詳細情報を表示したり、フォルダーの種類にあわせてメニューが自動的に変更されます。また「ライブラリ」と呼ばれる新機能は複数フォルダに分散しているデータをあたかもひとつのフォルダのように管理ができます。一種の仮想フォルダで外付けハードディスクや内蔵ハードディスクに分散してしまっているデータを一元的に管理できます。
 今回紹介させてもらった他にも沢山の機能が追加され、非常に使いやすく仕上がっています。しかし、Windows7の最大の魅力はずばり「動作が軽快な事」です。WindowsVistaがインストールされていたパソコンであれば間違いなく動作環境は改善されます。XPがそこそこ動くパソコンであれば7は問題なく使うことができるでしょう。パソコンを買い換えるのもひとつの手段ですが、今使っているパソコンを有効活用するためにもWindows7の導入を検討されてはいかがでしょうか?
※XPモードに関してはCPUが対応している必要があるので、必要な方は購入前に購入店で確認を行ってください。


496号 2010年1月31日

(19)Android 携帯

 ここ数年、徐々にスマートフォンという多機能な携帯電話が普及してきました。スマートフォンの多くはWindowsMobileと呼ばれるOSを利用していましたが、Apple社のiPhoneが発売されてからは、スマートフォン=iPhoneというくらいにiPhoneの一人勝ち状態が続いていました。
 ところが去年、検索エンジン最大手のGoogleからリリースされた「Android」とよばれるOSを採用したスマートフォン(通称:グーグル携帯、Andoroid携帯など)が発売され、大きな話題となりました。
 さて、このグーグル携帯ですが一体何ができるのでしょうか?Andoroid携帯は様々なアプリが発表されていて好きな物をインストールして、端末を自分の好みに合わせて利用することができます。これはiPhoneでもできることなのでさして目新しい機能ではありません。ではなぜAndoroid携帯がこれだけ注目されているのでしょうか?それはGoogleの各種サービスを簡単に利用でき、パソコンとの連携も非常に速やかに行えるからです。
 例えばGmailは自分のGoogleアカウントをAndoroid携帯に設定するだけですぐに使えます。携帯で送受信したメールもパソコンで送受信したメールも同じように扱えるので便利です。また電話帳もGmailの連絡先が自動的に携帯で利用できるようになるのでパソコンで連絡先を編集するだけで自動的に携帯の電話帳も更新されます。スケジュール管理にGoogleカレンダーを利用していればその情報も携帯で利用できますし、携帯で撮影した動画をそのままYoutube(動画共有サイト)にアップロードすることもできます。
 他にもGoogleのサービスは沢山ありますが、Android携帯を使えばどのサービスもパソコンで利用するのと何の代わりもなく利用できるのです。(※GoogleTalkのように一部機能制限されている物もあります)普段からGoogleのサービスを愛用している人間にとっては手放せないツールとなる事は間違いないでしょう。
 まだ普及が始まったばかりのAndorid携帯ですが、日本でも入手可能です。既にNTT Docomoから「HT-03A」という機種が発売されています。つい最近「Nexus One」と呼ばれるGoogle社が直接設計を行った端末も発表されアメリカや台湾などで発売されています。この「NexusOne」はNTT Docomo及びSoftbankMobileと同じ電波方式を利用しているので海外で購入して日本に持ってくれば利用可能です。(日本での発売は現在未定です)。auは今の所Androidに関しては発売に関する情報はありません。アメリカ モトローラ社から発売されている「Droid」という端末がauと同じ電波方式を採用しているので、日本でauからの発売を期待されていますが現在未定です。
 今後、スマートフォン業界はGoogleの「Android」、Appleの「iPhone」、Microsoftの「WindowsMobile」の激しいシェア争いが起こる事は間違いありません。自分にあった端末を発見して新しいモバイル生活を送ってみるのも良いのではないでしょうか。


500号 2010年2月28日

(20)Office2010

 2010年はマイクロソフトからOfficeの新バージョン「Office2010」がリリースされます。(ベータ版はすでに利用可能です)
 今回のバージョンアップで2007で不評だったリボン機能の改良が行われており、幾分が使い易くなった(というより2003に近い使用感)と思います。
 しかしOffice2010で最大のポイントは「Office Web applications」でしょう。これはなんと、インターネット接続環境とInternetExplorerがあれば、使用しているパソコンにOfficeがインストールされていなくてもWord、Excel、PowerPoint、OneNoteが使えるのです。しかも、WindowsLiveID(無料で取得できるマイクロソフトのWEBサービス「WindowsLive」で利用するID。Hotmailなど)があれば無料で使えます。
 このサービスで作成したデータはSkyDrive(WindowsLiveのサービスの一つでインターネット上にデータを5GB 保存できる)に保存して仕事仲間と共有したりする事も可能です。
 これは今までの仕事環境を大きく変える事ができるツールです。今までは自分のパソコンにインストールされているOfficeを起動してデータを作成し、それをメールに添付したりUSBメモリなどで手渡ししていたと思います。しかし、WindowsLiveのIDさえあれば他人のパソコンでも、ネットカフェでも好きにOfficeを利用して、予め共有しておいたSkyDriveにデータを保存しておけば仕事仲間が自由にそのデータを利用して仕事を進める事が可能になるのです。
 これはGoogleがすでに提供している「GoogleDocs」というサービスに対抗して無料で利用出来るようになったのです。
 GoogleDocsではExcelやWordで作ったデータを開く事もできましたが、やはり互換性の部分で不満を感じる点はありました。WindowsWebApplicationsはOfficeを作っているマイクロソフトが提供するサービスなので互換性の高さは期待できるでしょう。WindowsWebApplicationsの正式なリリースは2010年上半期と言われています。今のうちにLiveIDを取得してWEBサービスの利用方法に慣れておくのも良いかもしれませんね。


504号 2010年3月28日

(21)フラッシュメモリの価格低下

 デジタルカメラや携帯電話に利用されてるSDカードや、USBフラッシュメモリなど、私の身の回りにはたくさんのフラッシュメモリがありますが、どんどんと価格が低下していってます。
 以前紹介した、SSD(ソリッドステートドライブ)とよばれるパソコンのハードディスクに置き換わる装置がありますが、このSSDの価格低下が一気に進んでます。
(SSDの中身はフラッシュメモリが敷き詰められています)評判の良いIntel製のSSDが12000円程度から購入できるようになっており、HDDからSSDへの移設を行うユーザーも増えているようです。
 このフラッシュメモリの価格ですが、長いスパンでみると価格が低下し続けているのですが、1〜2年に1回程度価格が上昇する事があります。注目度が高く、大容量フラッシュメモリを搭載する機器が発売される時に価格上昇が起こります。一部で話題になってますが、今月から予約が始まっている、Appleの新製品「iPad」の製造が始まっており、これによりフラッシュメモリの提供不足が懸念されています。
 iPadはどの程度製造されるのか現在のところ不明ですが、iPhoneのような人気製品になった場合、フラッシュメモリが供給不足により価格が上昇する可能性があります。大容量のSDカードなどの購入予定がある方は今のうちに購入しておいた方が良いかもしれません。
 ちなみにSDカードを購入する際は容量だけでなく、記録/読込の速度もパッケージに表示してあるのでチェックしたほうが良いかと思います。
 速度が遅い物を使用するとデジカメなどでは1枚撮るごとの保存に時間がかかってしまいますし、読込が遅いとパソコンに取り込むのにも時間がかかります。
 SDカードに保存するタイプのHDデジカムなどの場合は特に気を配った方が良いと思います。


508号 2010年4月25日

(22)電子書籍

 みなさん、電子書籍という言葉をご存知ですか?その名の通り、電子化した書籍でパソコンや携帯電話などで閲覧できます。
 パソコンで閲覧するメリットというのはあまりありませんが、通勤中に携帯電話などで閲覧できるので古くから愛好家がいます。PDA(小型のコンピュータ)ユーザーなどに特に多いですね。私も電車通勤をしていたときによく購入していました。電子書籍は沢山持ち歩いてもかさばりませんし、なにより紙を消費しませんから環境にも優しいです。携帯電話で読んでいた書籍を帰宅後パソコンに移して続きを読む、といった使い方もできます。
 さて、この電子書籍ですがここ1年くらいで凄まじい広がりを見せています。これはAmazonのkindleというサービスで広がりを見せ始め、先日アメリカで発売されたiPadでさらに火がついたようです。iPadが発売されてから数日で600万冊の書籍データがダウンロードされたそうです。電子書籍はデータをダウンロードして購入しますので、読みたくなったその瞬間に購入する事ができます。印刷や運搬、保管に関するコストがかからないので書籍の低価格化も期待されています。
 KindleやiPadだけでなく、電子書籍に向いている端末は続々と発売されるようです。
iPadに対抗した形のタブレット型のWindows端末も発表されています。ソニーの「Sony Reader」も北米で人気のようです。マイクロソフトからは2画面の折りたたみ式タブレットPC「Courier」が発表されて話題になってます。タブレットPCですので画面を直接触って操作できるのでパソコンの操作が苦手な人でも気軽に使えます。拡大縮小も自在に扱えるので、通常の書籍の字が小さくて観づらい人などにもオススメです。しかし、残念な事に日本国内では出版業界が二の足を踏んでおり、普及がなかなか進みません。
 これは電子書籍にしてしまった場合にコピーが出回り本が売れなくなるのを危惧している、というのは建前で、出版業界が既得権益にしがみついているのが大きな原因のようです。このままだと、音楽配信が始まった時のiPodが大流行したように、フォーマットの標準化ができずに海外製品に市場を奪われてしまいかねません。ユーザーが使い易く、著作権も守られる仕組みが出来上がれば良いですね。


512号 2010年5月30日

(23)短縮URLサービス

 URLとはホームページのアドレスの事(http://〜〜〜〜)です。最近はこのURLを短縮するサービスの人気が高まっています。これはブログやツイッターなどにアドレスを載せる際に短い方が無駄に文章が長くならずに済むからです。
(GoogleのURL短縮を使った例:http://www.yahoo.co.jp/index.html ―(短縮)→ http://goo.gl/qUWN)
  しかし、このURL短縮ですがセキュリティ上の危険もあります。短縮されたアドレスを見ても短縮される前のアドレスが確認ができないので、危険なサイトに飛ばされる可能性もあります。
 対処方法は他のセキュリティ対策と同じで「信用できないリンクはクリックしない」事です。

◆無料の電子書籍

 iPadの発売が日本でもニュースになっていましたが、テレビの報道をみてるとやはり電子ブックビューアーとしての人気が高そうです。
 電子ブックの良い所は「かさばらない」「インターネットですぐに購入できる」などがあります。
 またNTTドコモから発売されたXperiaというスマートフォンも好調に売れており「スマートフォンで電子ブックを見たい」という要望も高まっているようです。
 「青空文庫」という著作権が消滅した文学作品を公開しているインターネット上の電子図書館があります。こちらからダウンロードできる書籍はすべて無料です。
 パソコンでも読めますし、スマートフォン用のアプリでの閲覧もできます。
 無料ですので電子書籍に興味がある方は利用してみてはいかがでしょうか?

「青空文庫」 http://www.aozora.gr.jp/


516号 2010年6月27日

(24)狙われる脆弱性の変化

 みなさんコンピュータウイルスという名前はご存知かと思います。少し前までのウイルスは主にウィンドウズの脆弱性を狙った物が多数を占めていました。これはウィンドウズアップデートを定期的に行う事で回避出来る問題で、更新の通知は標準でオンになっているのでご存知の方も多いと思います。(パソコンを使ってると右下に吹き出しで「更新の準備が出来ました」というやつです)
 しかし、最近はウィンドウズ意外の脆弱性を狙ったウイルスも増えてきています。特に狙われているのがJavaVM(Java仮想マシン)とAdobeReaderの脆弱性です。両方とも大抵のパソコンにはインストールされているのですが、アップデートが行われていない場合が多いです。両方ともインターネットで「Java」「AdobeReader」などと検索すると最新版をダウンロードできるサイトを発見できると思います。
 最新のJavaVMやAdobeReaderにはアップデートの通知機能が標準でオンになっているので、一度最新の物をインストールしておけば今後はアップデートが公開されるたびに通知を表示するようになります。ただし、注意をしてないといけないのがJavaVMのアップデートです。官公庁の電子申請を代表とした一部の有用なサービスでは最新のJavaVMでは動作しない物が多数あります。
 お仕事でお使いのパソコンの場合は、利用してるサービスの対応状況を確認してからの方が良いでしょう。更新できない場合はウイルス対策ソフトのアップデートを頻繁に行うなどしっかりとした対策をしておきましょう。


520号 2010年7月25日

(25)電子書籍とクラウド

 iPadの登場により、電子書籍が注目されていますが、日本は実は世界一電子書籍が利用されている国なのです。特に携帯電話での利用が盛んで、欲しくなった時にすぐに購入できる点や、常に手元にある携帯に入れておく事でちょっとした空き時間に利用できるのが重宝されているようです。
 この電子書籍ですが、今までの物とこれからの物で大きくかわる部分があります。それは「クラウド化」されることです。クラウドとはインターネット上にある多数のサーバーを総してそのように呼びます。
 購入した電子書籍は「購入した」という情報がクラウドに保存されます。購入者は、パソコン、携帯電話、電子書籍リーダーなどからクラウドにアクセスし、書籍を閲覧します。一度購入した書籍はどの端末からでも閲覧できるようになるのです。データはクラウドに保存されていますから、端末を紛失したとしても、書籍データが無くなる事はありません。
 電子書籍最大手のAmazonKindleはすでにクラウド化されており、今後はしおり(ここまで読んだという印)の情報などもクラウドに保存されるようです。外出中は携帯電話で読んで帰ってきたらパソコンで続きを読む、といった事が可能になります。
音楽データに関してもクラウド化される方向で進んでいるようです。
 今後はクラウド化されたコンテンツは「データを購入する」ではなく「利用する権利を購入する」という形になります。出版、印刷、物流にかかるコストが劇的に下がりますので、出版業界の在り方自体を大きく変える事になります。日本の出版業界がどう動くのか、しばらくは目が離せなくなりますね。


524号 2010年8月29日

(26)スマートフォンのセキュリティ

 iPhone(アイフォーン)を筆頭に人気沸騰のスマートフォンですが、ユーザーが増えてくると心配なのがやはりセキュリティの問題。ユーザーが多いシステムは自然とウイルス制作者の標的になり易いからです。先日、新たに発見された脆弱性を利用したデモンストレーションが行われていましたが、第三者に電話の発信、写真や電話帳の閲覧を行われてしまうという恐ろしいものでした。iPhoneのOS「iOS」の最新バージョンは4ですが、脆弱性対策の為のアップデートが提供されています。こまめにシステムアップデートしておきましょう。
 スマートフォンの日本での売れ行きはiPhoneがダントツですが、GoogleのAndroid(アンドロイド)携帯も徐々に人気が出てきています。Android は iPhoneと違い色々なメーカーから発売されており現在日本で正式に発売されているのは以下の機種です。
NTT Docomo:HT-03A、Xperia、 LYNX SH-10B
au:IS01
SoftbankMobile:X06HT(HTC Desire)
 Android も人気が出ててきており、先日Android 初のウイルスも発見されています。これは脆弱性を利用した物ではなく、ユーザーが自分でアプリをインストールしてしまうと、知らない間に有料メッセージサービスに接続されてしまうというアプリでした。「MoviePlayer」という名前で配布されており、一見問題ないアプリのように見えてインストールしてしまったユーザーがいたようです。現在ではこのアプリはダウンロードできなくなっているので心配はいりません。また、Googleは問題のあるアプリはインストールされた後でも自動的に削除されるシステムを導入しているので、大きな被害につながる事は少ないでしょう。
 ですが、やはり自分での防衛が欠かせません。スマートフォン向けのウイルス対策サービスを利用したり、メールは直接受信するのではなくGmailのようなWEBメールサービスを利用するなどしてウイルス自体を受信しないようにしましょう。またアプリもインストール前に表示される警告をチェックして不審に思ったらインストールをしないように心がけましょう。


528号 2010年9月26日

(27)9月はパソコンの点検を行いましょう

 毎年このシーズンになると色々なトラブルで相談される事が増えます。一番多いのがウイルスやスパイウェアなどのマルウェア(悪意のあるプログラムを総称してそう呼びます)の被害に関する問い合わせです。特に多いのがワンクリック詐欺で8月末の集計でパソコンに関する消費者センターへの問い合わせの8割近くが詐欺サイトの広告被害でした。
 この手の被害で多いのがアダルトサイトからの誘導です。アダルトサイトに表示されている広告をクリックしたり、アダルトコンテンツに偽装されたファイルをダウンロードしてパソコンで実行してしまうとマルウェアがインストールされてしまい、不正な請求を表示し続けたりします。この手の広告は支払う必要が無い物がほとんどなので、慌てずにパソコン屋さんで削除してもらい、他のウイルスにも感染していないかチェックしてもらいましょう。請求関係でどうしても心配な場合は消費者センターや警察の生活安全課などで相談すると良いです。
 パソコン自体のトラブルで多いのがハードディスクに関するトラブルです。ハードディスクは極端な温度変化に弱いため、暑かったり急に冷え込んだりする今の時期にトラブルが増えます。パソコンを保管しておく場合は気温が変化しやすい窓辺などに置かないようにしましょう。また暑い外から持ち帰ってきたパソコンを冷房で極端に冷えている部屋に持ち込んで、すぐに使うのもやめましょう。これだけ気をつけても壊れる時は壊れますのでバックアップは普段よりこまめに取っておきましょう。
 この時期のハードディスクトラブルは起動不良などを引き起こしますが、ちょっとしたチェックで復旧する場合も多いです。
 パソコンが起動しなくなってもデータは取り出せる場合も多いのです。しかし、市販のデータ復旧ソフトなどを安易に使うと症状を悪化させる場合もあるので、重要なデータがある場合は速やかに専門家に相談するようにしましょう。


532号 2010年10月24日

(28)変化するソーシャルネットワーク

 mixi(ミクシィ)のようなユーザー同士がコミュニケーションを行うインターネットのサービスをソーシャルネットワークシステム「SNS」と言います。
 このSNS、一時はmixiの独壇場のようになっていましたが、最近は様子が変わってきました。
 まず一番大きく変わったのがTwitterの登場でしょう。(ブログやTwitterなどをあわせてソーシャルメディアと呼びます)
 2年ほど前から流行しはじめ一気にユーザー数を増やしたのがTwitterです。Twitterが日本でも流行し始めた頃、それまでソーシャルネットワークの代表格であったmixiに「ミクシィ疲れ」など閉塞感が漂っていました。それらに飽き飽きしていたユーザーのTwitterの「ゆるい繋がり」といったものが受け入れられたようです。今ではTwitterも一般に浸透し日常的なツールとして利用されています。
 そしてTwitterのユーザー数の増加と反比例するようにmixiのユーザー数が激減していきます。それまで紹介制だったmixiもユーザー数を確保するために登録制にするなど色々な施策を打ちましたが上手くいっているとは言いがたい状況です。
 また同時期まで「2番手のmixi」のような扱いだったGREE(グリー)が方向転換を行ないました。それまでmixiと似たようなサービスを行っていたGREEは携帯電話への対応を強化、同時にソーシャルゲームと言われるユーザー同士でゲームを楽しむシステムを導入しました。これはDeNAが運営するモバゲーの戦略と似通ったものです。これが大ヒットしてGREEは急成長を遂げました。mixiも後を追うようにソーシャルゲームを開始しましたが、GREEほどの成功は見られません。DeNAやGREE、mixiは海外進出を開始しています。
 そして最近、じわじわとユーザーを増やしてきているのが世界的なソーシャルメディアFacebook(フェイスブック)です。Facebookはmixiなどと違い実名での利用が多いソーシャルメディアです。Facebookが日本に上陸した時にはまだmixiが強い支配力を持っていた上に、元々海外のサービスであるFacebookのユーザーインターフェイスが日本人には受けが悪くあまり流行しませんでした。しかし、徐々に日本人にもわかりやすいインターフェイスになるなど、受け入れられつつあります。このFacebookは日本以外の国では圧倒的な力を持っています。ユーザー数は現在約5億人と言われています。5億人という数は人口比較だと中国、インドについで第三位となる驚異的な人数です。Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグは23歳の時、最年少で世界長者番付に登録されており(現在26歳)総資産は、69億ドル(2010年9月時点)と言われています。(ちなみに未だに借家住まいだそうです)
 このように成長著しいソーシャルネットワークはサービスも魅力的であり、ついつい長時間利用してしまいがちです。しかし、ソーシャルメディアは常にプライバシーの問題がつきまといます。夢中になりすぎたり、公開すべきではない情報を公開してしまわないように注意して利用しましょう。


541号 2010年12月26日

(29)無料通話Skype(スカイプ)

 インターネットを活用されている方ならご存知かと思いますが、Skypeという無料音声通話サービスがあります。少しサービス内容をおさらいしておきましょう。
 これは、パソコンにSkypeのソフトをインストールしてIDを登録すると、パソコン同士で無料で通話ができるサービスです。複数人での会話にも対応しており、遠隔地との会議などにも利用されています。またパソコンにカメラをとりつければ、ビデオチャットというテレビ電話のようなこともできます。通話だけでなく、テキストメッセージの送信やファイルの転送なども使えます。以上のようなサービスが無料で利用できます。
 スカイプ社は営利企業ですので、もちろん有料のサービスが多数あります。そのなかで代表的なものが、SkypeIn、SkypeOutです。
 SkypeInは、利用してるSkypeに対して一般の電話から通話ができるようにするサービスです。050で始まるIP電話番号を取得し、その番号に電話をかけてもらうことで通話が可能です。SkypeOutはSkypeから一般電話に対して通話が出来るサービスです。通話料をチャージしておくことで一般電話に通話することができます。利用方法にもよりますが、かなり割安で通話できることもあります。
 さて、すでに馴染みのあるSkypeですが、先日、携帯電話キャリアauから「自社の端末にSkypeを導入し、無料通話を実現する。今後発売される全ての端末に対してSkypeを対応させていく」という発表がありました。これが実現されれば、auの携帯電話からSkypeを利用しているパソコン、スマートフォン(iPhoneやAndroid、WindowsPhoneなど)、携帯電話に対しての通話が全て無料になるということです。
 今まで同じキャリア間での無料通話は存在しましたが、Skypeを利用することによりキャリアを超えた無料通話が実現できます。携帯電話にSkypeを導入するのはauだけですが、SoftbankMobileやNTT Docomoから発売されているスマートフォンを利用すればSkypeを利用できます。完全な無料通話の実現も、そう遠い話ではないようですね。
※Skypeの利用にはパケット通信費用が発生します。利用される前にパケット定額サービスに加入するのを忘れないようにしておきましょう。


545号 2011年1月30日

(30)次世代通信規格LTEとWi-MAX

 ノートパソコンが普及している今、モバイルのインターネット接続端末を利用してるユーザーも多いと思います。どこからでもインターネットやメールが利用でき、昨今流行のクラウドサービスなどを活発に使用している人もいるかと思います。
 現在のモバイルインターネットの通信技術は第3世代携帯電話(3G)の通信方式を利用するものがほとんどです。この3GはW-CDMAとCDMA2000という方式が日本では利用されています。NTTドコモとソフトバンクモバイルがW-CDMA、auがCDMA2000を採用しています。
 さて、このモバイルインターネット通信ですが、すでに次世代のサービスが始まっています。LTEと Wi-MAX(ワイマックス)という2つの通信方式が利用される次世代通信ですが、いったい何が違うのでしょうか?
  現在のところ、よく目にするのはWi-MAXの方だと思います。Wi-MAXのサービスはUQ Wi-MAXという会社が2009年から始まっており、熊本でも熊本市内を中心にサービスが利用できます。電器屋さんなんかでもポスターが貼ってありますね。最近は、Wi-MAX端末内蔵ノートパソコンなども販売されています。
 一方、LTEですが2010年末にNTTドコモからXi(クロッシィ)という名前でサービスがスタートしました。
 このLTEと Wi-MAXですが、一番大きな違いは通信速度です。Wi-MAXは下り最大40Mbps、LTEは下り最大100Mbpsという違いがあります。規格上LTEの方が有利に見えますが、なにぶんサービス開始が遅かった分 Wi-MAXの方が有利に進んでいるようです。
 また、Wi-MAXの推進団体にはパソコンのCPUを製造している intel社が加わっており、今後発売されるパソコンには Wi-MAXモジュールが標準で組み込まれていくようになるでしょう。海外では Wi-MAXが利用できるスマートフォンも発売されており、日本での発売も期待されています。
 UQ Wi-MAXでは無料で Wi-MAXを体験できるキャンペーンも行われているので、興味がある人は利用してみてはいかがでしょうか?

 
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