矢原正治 E


969号 2019年11月3日

(151)ミツバアケビ アケビ科

  

 花は4月末頃から5月に咲きます。アケビ(葉が5枚)、ミツバアケビ(葉が3枚)、ゴヨウアケビ(アケビとミツバアケビの交配種)、ムベ(果実が割れない、葉に光沢があり、枚数は5〜7枚位の不規則)が身近になります。9月末に割れて、鳥に食べられたアケビの実を見つけました。 
 山口県山陽小野田市の江汐公園内に作っている「薬用植物園」のミツバアケビの実が、10月24日から割れ始め、食べごろになりました。20個ほどなっているムベ実は、食べごろになるのはもう少しです。

(1)ミツバアケビの中身(種の多い果肉)を食べた後の、残った皮の外の硬いところをピーラーで除き、中に肉と野菜を詰めて、蒸すか焼くなどして輪切りにし食べると皮の苦みがあり、美味しいという酒好きな方がいます。
(2)果実の皮の油味噌炒め:皮を熱湯で茹で、一晩水にさらし、細かく切り油で炒め、味噌、味醂、お好みで蜂蜜味付けをする。
 薬用としては、アケビ、ミツバアケビ、ムベ、ゴヨウアケビの蔓を、生薬名「木通(もくつう)」といい、消炎利尿などの尿路疾患、浮腫による疾患の水を尿として出す等に用いられます。漢方処方では、竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)、当帰四逆湯(トウキシギャクトウ)に配合されています。
 民間薬では、種子も用い「木通子(もくつうし)」といい、腎炎、尿道炎、膀胱炎などに良いと言われています。利用の仕方は、木通か木通子(種をつぶして用いる)、それぞれ3〜5g位に水400ml位を加え、弱火で半量位に煎じ、ろ液を3回に分けて利用してみて下さい。
 最近、咳が出る風邪が流行しているようです。気温、湿度の変化が大きいか、火山灰等のホコリのせいでしょうか? 私は咽に違和感を感じたら「プロポリス スプレー」で抗菌、抗炎症を行っています。背中を冷やし風邪(感冒)かな?と思ったら、すぐ葛根湯を飲むことにしています。関節などの節々が痛い等、もしインフルエンザかな?と感じたら、少し発汗力の強い「麻黄湯」をすぐ飲むようにして予防しています。私はまだ体力があるので、ゾクッとしたら葛根湯か麻黄湯、次の一包は2時間後に飲むと効果がきちんとでます。一日三回(6時間位おき)の服用では、漢方薬は効かないと言われる由縁です。その理由は二千年位前の「傷寒論(しょうかんろん)」に書いてあります。昔の方は科学がなかったのに凄いです!!


972号 2019年12月1日

(152)アシタバ セリ科

  
アシタバ       宴Aシタバの花

 「切っても明日も葉が出る」からアシタバとついたと言われています。東京都の南の島の八丈島、伊豆七島や本州の温暖な海岸線に自生しています。
 昔、知人から、八丈島で乳牛が食べてミルクが沢山出るようになったという話を聞きました。切ると黄色い汁が出てきます。これはポリフェノール類フラボノイドの仲間のカルコン(Chalcone)類の黄色い色に由来します。1970年代から成分・機能性の研究が行われ、機能性に関する多くの成果が得られています。
 民間薬としては、高血圧の予防、強壮・強精、食欲増進、疲労回復などで利用されています。また、野菜としても用いられています。
 何度も言いますが、良いからと取り過ぎないでください。また、合う人と合わない人がいますので、「試してみませんか?」とお勧め下さい。
 11月の前半は、山口の小野田にある江汐公園内の薬用植物園で、薬用植物の管理の仕事(野良仕事)をしていました。
 日に日に日没が早くなっています。太陽が当たっている時は、動いていると汗をかくほど温かいのですが、陽が陰ると急に寒くなります。太陽が西に傾く2時頃から陰が伸びだし、3時を過ぎると園全体が完全に日陰で寒くなります。汗をかいてジャケットを脱ぎ、仕事を続けていると、体が冷え、16時頃には何となく風邪気味だなと感じ、おかしいなと思ったので「葛根湯を一包」、2時間後位に更に一包を飲み2日間続いた風邪気味だったのを防ぎました。 
 12月は落ち葉の季節ですが、11月に入り、紅葉が始まりました。皆様はどのような木の葉の紅葉が好きですか?少し変わった紅葉の木をご紹介します。落羽松(らくうしょう ヒノキ科)で、別名「沼杉」といいます。水の中に生えることが出来るので、この名前がついています。幹の周りに呼吸のための呼吸根≪気根、膝根(しっこん)》が出ます。私が薬用植物園を作っている山口県山陽小野田市の小野田IC近くの江汐公園内の薬用植物園の北の池の中に生えています。
 風邪&食中毒に気を付け、元気で、年末&新年をお迎え下さい。


975号 2020年1月1日

(153)ホップ  Humulus lupulus L. var. lupulus
アサ科(旧クワ科)

 新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。

 年末年始、色々なアルコール類を飲まれた方も多いと思います。今月はビールの製造過程で用いる「ホップ」にしました。別名をセイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)と言います。

 ホップ(写真)は、ヨーロッパ原産といわれ、古くからビールの醸造の原料として利用されています。北半球の冷涼な地域に広く生育している雌雄異株の蔓性多年草です。日本には明治初期にビール醸造の目的で雌株(めかぶ)が北海道に導入されたのが最初と言われています。雄株(おかぶ)は日本では目にする機会はほとんどありません。
 震災被害の復興中の「サントリー熊本工場」から2017年末に頂いたホップの雌株を、山口県山陽小野田市の小野田IC近くの、江汐公園内の山口東京理科大学薬学部附属の薬用植物園で栽培しています。2年になり大分大きくなり、今年も、淡緑色で鱗状の苞葉に包まれた「毬果(きゅうか)」をたくさんつけました。
 薬用では、毬果に、健胃、利尿、抗菌、抗酸化等の効果があります。ビールの醸造の過程で、酵母で発酵して出来るタンパク質の濁りをホップの成分のタンニンで沈殿し、苦み、香り等の風味を添加します。また、ビールを飲むと尿(小便)が出やすくなるのはホップの成分の利尿効果です。
 現在のビール醸造過程は、細菌(雑菌)の侵入は(ほとんど)無い衛生管理の元、製造されています。しかし、昔は、大麦を粉末・加熱し、アルコール発酵させていたので、これでは雑菌が入り、美味しいビールが出来ないことが多かったようです。そこで抗菌性のあるホップを利用するようになりました。理由は「風味付けと、雑菌を抑制する」を目的で用い、美味しいビールが飲めるようになり今日に至っています。
 酒は百薬の長(適量の酒はどんな良薬よりも効果がある)と言われますが、日本人の半数は、アルコールを解毒する酵素が欠損している人がいます。何事もホドホドにし、元気(普通のエネルギー状態)で普通に「食べ、寝て、出す、動く」を自分で行い(寝て:寝るには体力が必要、脳を休める。出す:汗、大便&小便をきちんと出す)、寝たきりにならず、動く:関節&筋肉を動かす運動をし、ピンピン・コロリンを目標に健康な一年をお過ごし下さい。

 お時間がありましたら、山口県山陽小野田市にある江汐公園内の薬用植物園(小野田IC近く)に見学においで下さい。


975号 2020年2月2日

(154)アスパラガスAsparagus officinalis L.
  キジカクシ科(旧ユリ科)

 七草粥(【ダイコン(スズシロ)、カブ(スズナ)】以外の5種は、雑草で薬草です)は、食べられましたか?(※2017年4月9日発行ワンネス850号の「ハコベ」を参考にして下さい
 早いもので2月ですが、1月22日に自宅を出発し福岡空港からバンコク経由で、1月23日からネパールの首都カトマンズ盆地の南にあるパタン地区にいます。2016年から毎年お世話になっている、ゲストハウス(1泊:500円、朝夕食:500円位)に約1ヶ月宿泊し、AITM大学と、KVC大学で、講義と実習をさせてもらいに来ています。
 今月は、ワンネス815号の「花だより」で紹介され、皆さん食用で良くご存じの「アスパラガス【別名:オランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠)】です。江戸時代にオランダから日本に入り、オランダキジカクシの名前があります。キジカクシは阿蘇の草原に自生します。
 表題に「植物名のラテン名:Asparagus officinalis」を書いたのは、officinalisは「薬用」という意味です。薬用としては、根茎を「利尿、膀胱・肝臓疾患に」、小児の回虫等の寄生虫駆除等に用いたと言われています。フラボノイド類等のポリフェノールも含まれていますので抗酸化活性も報告されています。ラテン名のAsparagusの名前から由来する、水溶性のアミノ酸のアスパラギン酸、アスパラギンが多く含まれ、疲労回復などの効果があることが報告されています。
 食用には新芽の柔らかい部分を食べますが、ある程度伸びた葉先の手で折れる部分も食べることが出来ますので、お試しください。緑アスパラと白アスパラがあるのですが、白アスパラは遮光して栽培したもので、緑の葉緑素が、ほとんど含まれていません。
 食品には、水溶性成分、水に溶けにくい成分(脂溶性成分)があります。煮たりすると、水溶性成分が、汁に出ますので、汁も飲まれるのがベストです。料理をする時に、味付け等で、塩・砂糖などをたくさん加えないで、食品それぞれの味を、舌(味)・鼻(香り)を使って、感じて下さい。いろんな調味料で味を濃くせず、ごまかすことなく、食品本来の味を汁まで飲んで味わい、いろんな栄養を摂取してください。(食塩、砂糖は少なめに!)
冷えは、筋肉の減少で起こります。日頃から運動を心掛けて、肉・魚などのタンパク質類も野菜類とともに摂取してください。野菜・海草スープをミキサーで潰したものも良いと思います。
 昨今、便秘にお腹が痛くならない下剤で、「マグネシウム」が良いと言われています。マグネシウムは、葉緑素に含まれますので、緑の野菜(青物野菜)を摂取すると、葉緑素(マグネシウムを含む)と植物繊維で、便秘が改善します! お試しください。
 また、マグネシウムは、苦汁(海水から)に含まれますので、料理に少量の苦汁の使用も良いかもしれません(まず数滴から)。苦汁(マグネシウム)は豆乳を豆腐に変える凝固剤に用い、豆腐にも苦汁が含まれます。


981号 2020年3月1日

(155)トウキンセンカ(Calendula officinalis L.)  キク科

 キンセンカは橙色の太陽に輝く花を咲かせます。高地で見ると涼しそうですが、日本で見ると暑そうに感じる花です。
 アロマをしている女性の要望でネパールの標高1500mぐらいの民家の畑で探したことがあります。普通は園芸で植えているので、薬用とはあまり思いませんが、ヨーロッパ等ではハーブとして薬用に用います。花、葉には消炎作用、抗菌作用があり、ヨーロッパの民間薬では外用薬として皮膚の炎症、内服では胃潰瘍、胃炎などに用いるようです。「いろんなものが薬用に用いられてきたのだな」と、調べるたびに感じています。現在は各種炎症には、ステロイド系抗炎症薬が開発され、治療薬の主流になっています。
 しかし、昔ながらの植物の方が副作用も少なく、皮膚に優しいといって利用している人もいます。身近な薬用植物を利用した民間療法も捨てたものではありません。ただ副作用もありますので注意して下さい。

 今年も、1月22日の早朝に出発、福岡空港〜バンコク経由で、23日にネパールのカトマンズ空港に到着しました。天候は晴れで、スモッグの影響により、ヒマラヤの山は見えませんでした。2月17日にカトマンズを出発し、18日の早朝に福岡空港に帰り着きました。3週間、AITM大学(Asian Institute of Technology & Management)薬学科とKVC大学( Kantipur Valley College ) Biotechnology学科で、講義(1時間x2回/日、2大学で5日)と実習(3時間/日、5日1大学)を行いました。
 宿泊は、2016年からお世話になっている、両大学のだいたい中央のカトマンズ盆地南のPatan地区にある「Muhabuddhaゲストハウス」です。食事はゲスハウスの奥さんのご配慮で、私のために、油を減し、トウガラシの辛味を抜いた食事(カレー等)を作って下さいました。お陰さまで、中性脂質(TG)は変化なく、体重も2kgほど減りました。
 新型コロナウイルスで大変です。基礎体力・免疫力を維持し、ウイルスに負けない免疫力を維持して下さい。

    
ネパールでの食事 (ゲストハウスにて)


984号 2020年4月2日

(156)ワサビ アブラナ科

  

 今月は、ワサビです。写真は陸ワサビです。大変身近な植物ですが、花を知らない人がほとんどではないでしょうか?
 ワサビには、非常に強い抗菌作用が有ります。その作用を巧みに利用したのが日本人です。生の魚介類を食べるときには、食中毒が大変恐いので、抗菌作用の強いワサビと一緒に食べるわけです。またワサビには食欲増進作用、血栓の生成を抑制する効果等が有ります。
 ワサビと言えば根茎の部分だけを思い浮かべるでしょうが、茎葉・花も大変美味しく、ワサビ茎葉を醤油で和えると格別です。作り方は、@ワサビ茎葉を水洗いする。A60度位のお湯にワサビ茎葉を入れ、B1分ぐらい鍋の蓋をしたたま保ち、お湯を素早く捨てる。C鍋に蓋をした状態で蓋と鍋の底に当たるように強く振る。D開けるとツーとした香りがします。適当に切り、醤油・味醂などで味を調え、密封出来る容器に保存します。
 ワサビは、そのままでは辛くありません(シニグリンなどを含む)。すりおろすことで、細胞が壊れ、中にある酵素(βグルコシダーゼの仲間のミロシナーゼ)が働き、シニグリンが、アリルイソチオシアネートという化合物に変化し、辛みのツーとした香りがします。酵素は35度〜40度位の温度で良く働きます。それを利用したのがワサビ茎葉醤油漬の作り方です。温度と巧く細胞をこわすことがコツです。口に入れて噛む時は、唾液とよく混ぜながら噛むと、香り・辛味が出ます。
 鏡餅のカビが生えやすいところに薄くワサビ(練りワサビで良い ※ワサビ大根より作る)を塗っておくとカビが生えにくいです。今年の暮れにでもお試しください。
★注意:もし山に行ってワサビの茎葉を取るときに、根茎は絶対に取らないでください。取ってしまうと来年は茎葉を取ることが出来ません。また、野生の根茎には線虫が入って黒くなり、美味しいすりワサビは出来ません。目先のことだけを考えないで、長く楽しむ方法で美味しい食事をしましょう。
 4月8日は、お釈迦様の誕生日を祝う”花祭り(灌仏会)”です。アマチャのお茶でお祝いをしましょう。
 特効薬・予防ワクチンが無いので、新型コロナウイルスで大変です。咽がおかしいかなと感じたら、渋茶でうがいをして予防して下さい。
 私は、プロポリススプレー&プロポリスキャンデー、麻黄湯で予防し、「最強の野菜スープ(前田浩著)」を参考にした野菜スープで免疫を上げています。お試しください!


986号 2020年5月17日

(157)ツルニンジン キキョウ科

 南阿蘇の草原・林に散策に行くと、木に蔓性の植物が沢山はえています。ヤマノイモ、マタタビの他に、少ないですが「ツルニンジン」を見つけます。特に9〜10月の秋に、釣り鐘状の花をつけ、受粉を助けると言われているマルハナバチが花の周りを飛んでいます。冬は地上部が枯れ、5月位から新芽を出してきます。
 根を薬用・食用に利用、収穫は、根が充実し地上部が枯れた12〜2月位です。根は薬用人参に似ていて、地上部が蔓性なので「ツルニンジン」の名前がついたようです。「トトキ」とも言われ、韓国ではキムチに入れられていました。外国で、これらの根を使って薬用ニンジンに似せて偽物を作り、売っていることがあります。
 薬用として、根を用い、腫れを消す、解毒、膿を排す、咳を去る等の効果があると言われています。
 機能性食品、ハーブ、薬用植物、薬味(香辛料等を含む)は、XX薬と『薬』の字が入った薬用植物が用いられます。『薬』とつきますと、身体に対しての作用が、普通の食品になるものより強いわけです。これを毎日多量に飲食すると、身体が機能性成分を代謝出来なくなり、身体に毒を入れるような状態になります。(薬は多く摂ると毒になります)特にドリンク剤等での“多量の摂取は注意”して下さい。
 身体を冷やさないようにして下さい(筋肉は最も多くの熱を出す臓器です)。冷えは、免疫力を落とし、感染症に罹りやすくなります。身体を温める食を食し、少し身体を動かし筋肉を減らさないようにし、色んな病気に罹らないようにして下さい。
 昨今、医療従事者・その家族等に対し、新型コロナウイルス感染の元になるのではと言われ、バッシング傾向があります。一生懸命、人の命を守ってくれている方々に対して、心ないことを言わないことが大切ではと思います。
 私達の出来ることは、「三密を避け」(パチンコ、温泉など着替えのロッカールーム、長時間の買い物等々)、むやみな出歩きはしない。もし出たいのなら、人のほとんどいない所に散歩に行く等してください。熱・咳が出て、おかしいと思ったら、掛かり付けの医者に電話してください(発病していなくても、他人にうつすことがあります)。
 私達は人と話をしなくても、植物君達・鳥達・昆虫等と話をしたらどうでしょうか?私は、植物君達と話をし、楽しんでいます(返事は来ませんが、綺麗な花を咲かしてくれてありがとうと!)
 6月まで、何かとストレスが溜まる毎日です。少しでも楽しいことを考え・行動し、人に迷惑をかけず、ストレスを溜めないように、危機管理を行い、心身のバランスを普通に保って下さい。
 どこに罹患者がいるか分かりません、免疫力をUPし、「罹らない」ように、ご自愛下さい。皆様のご健康を祈願しています。


988号 2020年6月14日

(158)セッコク ラン科

  梅雨に入り、ジメジメし、細菌(微生物)が増えますので、食中毒に気を付けてください。心身のバランスを崩し、免疫力を落とさないように!
 今月は、5月中旬から、私の庭で花が咲いている「セッコク」です。根元を水苔で巻き、庭の木(トキワマンサク)にくっ付けています。水もやらないのに、毎年花を咲かせてくれます。
 花が咲く前の全草を日干しにしたものを、石斛(セッコク)といい、健胃、解熱、消炎、強壮・強精を目的に用いられます。中国では、薬用人参と並び、強壮・強精に今でも珍重されています。
 中国の古書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の上品に収載された生薬(しょうやく)で「味は甘・平。中傷(身体の中心部が弱る)を主治し、痺を除き、気を下し、五臓の虚労による羸痩(るいそう、衰えやせる)を補い、陰を強くする。 久しく服すれば腸胃を厚くし(普通に近づけ)身を軽くし、年を延ばす」と記載され、古来虚弱体質者の強壮を目的に用いられてきました。野生品種が乱獲され、ワシントン条約での規制に石斛も含めています。他に、動物生薬の麝香(じゃこう)、熊胆(ゆうたん 熊の胆のう)、虎骨(ココツ 虎の骨)、犀角(サイカク サイの角)、羚羊角(レイヨウカク ウシ科サイガ属 カモシカの角)が国際取引禁止となっていますので、石斛は、栽培種が生薬として流通しています。
 阿蘇・脊梁などに野生する植物・昆虫などをむやみに採取しないようにしましょう。
 新型コロナの緊急事態宣言が全国で解除になりましたが、自分は大丈夫だと思い込まず、これまで通り、十分に気を付け罹らないように注意して下さい。これから蒸し暑くなり、胃腸を弱らせる方が増え、免疫力が落ちてくる人がいます。心身のバランスを普通に保ち、免疫力を落とさないようご自愛下さい。ラオスからの留学生が言っていましたが「室温の飲み物を飲む。胃腸を普通に保つには、冷たい飲食物を取り過ぎない。辛いモノ等、香辛料を取り過ぎない」など、胃腸を十二分にいたわって下さい。秋から冬に新型コロナウイルスの波状攻撃が来る可能性があるとき、夏バテし胃腸を弱らせて免疫力を落とさないで、免疫力をアップして、三密を避け、乗り切って下さい。皆様のご健康と、楽しい生活をお祈りします。
 笑いは免疫力を上げる笑薬(しょうやく)。笑いを忘れず、楽しいことや嬉しいことを増やし免疫力を上げて下さい。
 胃は車に例えるとエンジンです。チューンアップをお忘れなく!!


990号 2020年7月12日

(159)セイヨウワサビ(ホースラディッシュ) アブラナ科

 蒸し暑くなり、食中毒の季節です。刺身、寿司には、抗菌性のあるワサビを用います。
 本ワサビは、156号で紹介しました。今回は、粉ワサビ・練りワサビ等に用いられるホースラディッシュ(Horseradish、ワサビ大根、セイヨウワサビ)です。Horse-radishを直訳すると「馬の大根」、商品名で「山わさび」と呼ばれています。ヨーロッパ原産の多年草で、日本には明治初期に伝来し、北海道などで栽培され、辛味は本ワサビよりも強く、地下部が加工ワサビとして利用されています。
 辛味成分は、ワサビと同じシニグリンを含み、肉料理に薬味やソースの原料として、辛味・香りを楽しみます。効能としては、ワサビと同様に、消化促進、抗菌などがあります。
 食中毒の季節、香辛料(スパイス)・薬味を巧く利用し、抗菌、胃の状態を普通に保ち、蒸し暑い、梅雨・夏を乗り切って下さい。梅干しも抗菌性があります。
 発酵と腐敗は共に細菌の働きによるものです。食べれる物を「発酵」、害のある物を「腐敗」と言いますが、例えば「納豆、チーズ」のように、世界でその概念が違います。
 細菌(ウイルスも含む)は、空気中や私たちの身体の皮膚や口・胃・腸・肛門といっぱいいて、人は細菌と共生してきました。
 ばい菌“悪いヤツ(細菌)”が増えないように、良い菌も環境が悪くなると悪い菌に変わることもあります。ストレスを溜めず「免疫力を落とさないよう」、心身のバランスを普通に保って、この難局を乗り切って下さい。
 

@漢方薬の「麻黄湯」は、1000年以上前から、インフルエンザの予防に、用いられてきました。
Aおかしいなと感じたら、「すぐ一包を(頓服で)」、2時間おきに、1包を飲んで、3包(6時間で)も飲めば、普通は、予防できるはず。漢方薬の風邪薬(葛根湯、麻黄湯など)は、頓服で、2時間おきに、6時間で服用。3日分も飲めば、治るはずです。
Bまた「渋茶でウガイ」をして、咽についた「ウイルスを減らし・弱らせ」
C唾液を出して「抗菌」するなど
Dウイルス「1/100作戦」で、早め早めの対応、また、野菜スープの摂取で、免疫を力アップし、これからの蒸し暑さに備えてください。

 ぐっすりと良い睡眠を取り、胃を弱らせないように、コロナ禍・蒸し暑い夏を乗り切ってください。


992号 2020年8月9日

(160)トクサ クサ科

    

 今月は、“これが薬草? ”と思われるスギナと同じ仲間の「トクサ」です。このような植物が薬草と思われるかもしれません。利用は、春or夏に「地上部」を収穫、湯通ししたものを乾燥、生薬、木賊(もくぞく)といい、下痢、風邪、浮腫、腸出血などに用いられると記されています。
 和漢三才図解に、「物を磋(みがく)こと砥(といし)の如し、ゆえに砥草(とくさ)と称す」と記されているようです。トクサの茎は、表面に珪酸(けいさん)を含み、ざらつき、非常に堅く、細工物などを、砥(と)ぐ草という意味から、研ぐ草(とぐくさ)から「トクサ」の名前がついたとされています。
 いろんな植物は、薬用として用いられます。世界の植物の約10%が、薬用に用いられると言われていますので、私達の身近にも沢山の薬用植物があります。西洋薬の無かった時代、身近な薬用植物を用い、体調が悪い(疾病)のときに、利用していましたが、今は薬局に行けば薬があり、酷い時は病院で看てもらうことが可能です。
 充実した健康保健で日本は医療が受けられますので、良いですね。ただ薬で身体(心身)を壊すこともあるようですので、薬を服用し、おかしい時は、話をきちんと聞いて下さる、薬剤師・医師に相談して下さい。薬は続ける必要があるモノもありますが、解毒・排泄をする、肝臓・腎臓を弱らせ、薬の長期服用により、他の臓器も弱ってくる可能性があります。自分の心身の変化は、日記をきちんとつけ、おかしい時は、話をキチンと聞いてくれる薬剤師・医師に相談して下さい。
 私も2年半前から、ステロイド剤を服用し(1日:最大の50mg → 2mg → 現在はゼロ)、心身に大きな変化がありました。最初は精神的に怒りやすく十二指腸潰瘍を4回、血糖値が上がるため、血糖値を下げるためインシュリン注射 → 錠剤の服用。終盤は、酸化された油を使った料理で、湿疹が出る等、多岐にわたる副作用を経験しました。
 糖尿病の方が「咽が渇く」症状は、血糖値350位以上で。体力が落ちたとき(極虚証)寝るのに体力が必要だと教わり。食事をすると、体温が、1度上がる、太陽に5分位あたると0.5度位上がることを経験。シャワーを浴びるだけで、体力を使い疲れ、大便を出すと疲れて立てなくなる等々。
 元気で、普通に近い生活している今が、素晴しいなと感じています。一年後の2018年1?2月の21日間、体力を試すために、ネパールに出かけ、毎日片道、約2kmを25分位で歩けました。ネパールの医療を少し教えてもらいながら、ノンビリしたネパール生活を楽しみ、日本の良さを感じました。

 新型コロナ等々で、ストレスが多いこの頃、ストレスを溜めると、「肝臓(肝)」が、弱り、酒が、まずくなります(旨くなくなります)ので、ご自愛下さい。
 胃を弱すと口内炎が起きやすく、夏バテし免疫が落ちます。肝腎要(肝心要)、肝、腎、心の臓器をいたわり、食べ物が最初に入る「胃」を弱らせないように、楽しい夏をお過ごし下さい。


994号 2020年9月13日

(161)デイゴ マメ科

 沖縄の「島唄」は「デイゴの花咲き 嵐を呼び 嵐が来た デイゴの花咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た〜」ではじまります。今月は、沖縄の県花の「デイゴ」です。8月は猛暑で、新型コロナの感染者も増え、外に出るのも億劫でしたが、借りている畑の向かい、鉄砲小路の西の端の家の庭先に、九州?関東でも越冬する「アメリカデイゴ」が、6月初め〜9月に入っても赤い花が咲いています。(デイゴは、奄美以南、沖縄に自生します)
 「デイゴ」は薬用で、樹皮を「海桐皮(かいとうひ)」といい、味:苦辛、性:平、効能:風湿を去り、経絡を通す。リウマチのよる麻痺、歯痛、疥癬を治すなど、抗真菌・抗菌作用などがあると言われています。他に、樹木を、琴、下駄、漆器にも利用されます。
 海桐皮には、アルカロイド類という成分を含みます。アルカロイド類は作用が強いので、アルカロイド類を含む薬用植物を利用する時は、注意して利用して下さい。
 風邪・新型コロナ・インフルエンザに感染したかなと感じたら、すぐに、対応をして下さい。風邪かな・体調が悪いと感じたらなるべく早く、頓服で薬を飲む、などをして下さい。(私は、頓服で麻黄湯を一包、咽に違和感がある時はプロポリススプレー(森川健康堂)を利用しています)。
 手洗い、ウガイは、身体に入るウイルスの量を「1/100」以下に減すことができ、免疫力がきちんとしていれば、勝つことも出来ます。
 誰でも、インフルエンザと同じ、新型コロナに罹る可能性があります。ただ、夏バテしないように、十分注意し、運動、食事、睡眠、ストレスを溜めない、などに努め、免疫力をUP(普通に)して下さい。また、生活の中で、ホッと気を抜くと、「風邪に罹ること」がありますので、秋〜冬にかけて、十分注意しましょう。(夏は、腹を冷やして寝冷えします。腹巻きをして予防して下さい)
 9月に入りましたが、まだまだ暑い毎日が続きます。胃を弱らせて、夏バテの出る時期。胃腸の調子を普通に保ち、免疫力をUPし、冬の新型コロナ、インフルエンザ、風邪に罹らないようにして下さい。
 食欲の秋を迎えます。食べ過ぎに注意し、美味しく食べ、楽しい秋をお過ごし下さい。


996号 2020年10月11日

(162)カノコソウ スイカズラ科

 今月の薬用植物は“カノコソウ (Valeriana fauriei)”です。
 5月の連休過ぎから、阿蘇等の草原・道沿いの半日陰で、咲きます。今は、地上部も枯れ、見つけるのが困難です。
 薬用には、根及び根茎を用います。日本薬局方に“吉草根(きっそうこん)”で収載されています。北海道で栽培されていますが、野生のものは、日本各地の、やや湿った山地に自生していますが、少なくなってきました。5〜7月ごろ少しピンクの白い花を咲かせます。カノコソウには特異な香り(モノテルペノイドのbornyl isovalerate等)があります。
 効能は、鎮痛、鎮静、通経の作用があり、粉末をヒステリーの鎮静剤として婦人用の薬に配合します。また、カノコソウ チンキもあります。ヨーロッパでは西洋カノコソウ(Valeriana officinalis)(officinalis:薬用の)があり、ギリシャ時代から精神を鎮め、眠りを深める目的で用いられてきました。日本には江戸時代後半に渡来したようです。私が学生の時は、ヒステリーにはカノコソウと覚えました。ただし、香りは良くないので、効くのかなと思っていますが、男性には駄目なのかな?どこでもいつでも寝る自分には合わないのかなと思っています。
 昨今ストレス等々で不眠になり、眠りを深めるカノコソウが脚光を浴びるのかもしれません。
 眠れないときにウサギが1匹、ウサギが2匹と数えていると、脳が集中し、寝れなくなる人が多いのですが、1000匹位になると「脳があきらめて」きます。そうなるといつのまにか寝ています。「脳が疲れ・あきらめる」と眠りに入ります。講演等の時に寝る人は、聞いても分からないと、あきらめているから熟睡しているのかもしれません。
 睡眠不足は、免疫力を低下させます。また、新型コロナでストレスが溜まると胃を弱らせ夏バテし、低体温(36℃以下)も一層「免疫力を低下」させます。
 免疫力が下がると、「インフルエンザ・新型コロナに感染しやすく」なります。皆さん免疫力をUPし、今年の冬を乗り切って下さい。
 知り合いの薬局に、フェースシールドを買いに伺ったら、インフルエンザ・新型コロナの予防に「板藍根エキス」を売っていたので、少し高かったですが購入してきました。私は、3年前に「サイトカインストームで三途の川まで行き」ましたので、漢方薬でインフルエンザに用いられる「麻黄湯」の頓服と、プロポリススプレーで、予防しています。皆様も、正しく免疫力UPをし、元気に春の桜の花見を楽しみに、秋から冬をお過ごし下さい。


998号 2020年11月8日

(163)ヒメジョオン キク科

 今月は、雑草の、ヒメジョオンです。春先に咲く花が少し赤みを帯びたハルジョオンは、茎が中空・茎を抱くように葉が付き、ヒメジョオンは、茎が詰まり・葉は真っすぐにつきます。雑草は、人が不要とする草で、人中心の考え方ですが、効能を持った植物も沢山あります。雑魚(ざこ)も同じように、カルシウム・コラーゲンの塊で、素晴しい機能性食品です。
 話は戻りますが、どちらも同じような薬効があるとされ、『消化を助け、消化不良に、清熱解毒に、腸炎の下痢の改善』等に用いられます。また、別の本には、糖尿病の予防、浮腫の改善などに用いると書いてあります。
 暑くなると、生ものが腐りやすくなります。日本人の知恵で、生ものには、薬味を用います。または火で細菌を殺し、それに薬味を加え料理し、食べる、中華料理等があります。ただ、細菌が死んでも毒を残す菌も居ますので、熱をかければ安全ではありません(例えば:O-157大腸菌のように)。
 買い物袋を自分で持って行く時代、たまには、買い物袋を洗い、太陽の光に当てて干し、除菌して下さい。細菌は私達の周りにいて、『共存』しています。巧くつきあいましょう。
 石油から作られる、多くの「ビニール製品」は便利ですが、自然分解しにくいので、環境を汚染しています。海や山に行くと、多くのビニール製品が散乱しています。きちんと持ち帰り、分別して、リサイクルしてください。
 ネパールは、5年位前から買い物に行くとビニール袋ではなく、エコ袋に入れてくれるか、紙で包んでくれるようになりました。電球はLED、懐中電灯の電球もLEDです。ヒマラヤの山小屋の電灯もLEDです。文明はマダマダですが、考えは日本よりも進んでいるかもと感じながら、行くたびに、生活をしています。今年も、新型コロナが流行する前、1月〜2月に23日間行ってきましたが、この新型コロナで、外国にも行けません。ネパールは、インド・中国からの新型コロナの流入で感染者が16万人を越え、さらに大雨の被害、アフリカからのバッタの襲来で農作物の被害、飛行機が止まり観光客もゼロ、ホテルは宿泊客ゼロ、経済が動いていないようです。穀物・野菜類は数倍に高騰。山間部では、食べる物が少なくなり、毒キノコ・陽に当たり緑になったジャガイモを食べ、亡くなった方も出ているようです。
 日本は幸せな国です。人に会うときは、マスクをし、インフルエンザ・新型コロナ(COVID-19)に罹らないよう、うつさないように。おかしいなと感じたら、直ぐ、渋茶でウガイ・頓服で葛根湯を用い予防。少しでも楽しいことを考え、免疫力を落とさないよう、晩秋を過ごして下さい。
 新型コロナに罹り回復したら、免疫力・体力(食欲)を上げる漢方薬の、補中益気湯、人参養栄湯などを、お試し下さい!


1000号 2020年12月20日

(164)ホウキギ (ヒユ科)

 早いもので12月です。今月はホウキギ(別名:コキア、Bassia scoparita L. (Kochia prastrata )です。
 11月に入り、緑色の丸い草本は、赤く紅葉を始め、中旬になると真っ赤に紅葉、ホームページ等でも話題になっています。菊陽町の一部の庭・畑などで、赤くなっているので目立ちました。枝で箒(ほうき)を作れますので、ホウキギと呼ばれています。種子は小さいのですが、プチプチした食感でキャビアに似て?畑のキャビア(トンブリ)と言われています。
 阿蘇には『畑のキャビア』こと「ホウキギ」と『畑の馬刺』こと「アカドウ(濃い紫の里芋の茎を漬けて発酵させる)」が有ります。皆さん、食べ、試して下さい(美味しいと感じるかどうか?色・触感が似ているかどうか等)

   

 薬用部位:種子「地膚子(じふし)」、薬効:膀胱炎、皮膚のかゆみ、湿疹、皮膚炎、蕁麻疹など。また果実に糖吸収抑制が有ることが報告されています。

 話は変わりますが、経済活性化で人の移動が増え、新型コロナ(COVID-19)の第3波、感染者が増えています。『誰もが罹ってもおかしくない状態』、もし感染したら、直ぐ、周りに知らせ『うつさないよう』に注意して下さい。
 自分は大丈夫だと思わず、私達は、罹らないように、外出時に「マスクを着用」、「三蜜を避け」、「換気の良い場所を選び・短時間で行動」し、ストレスを溜めず、たまには太陽の光に当たり、運動し筋肉量を保ち、話をする等で口を動かすなど、免疫力をUPし生活を楽しんで下さい。
 年末年始、普通なら、忘年会・新年会、帰省で実家はにぎやかに人の行き来が多くなります。このご時世、これから『新しい対応方法を考案』し、なんだかんだと言わず新型コロナと付き合っていくのは如何でしょうか。
 ワクチンが出来ると言われていますが、本当に安全なのか?効果の持続はどの程度か?分からないことが多過ぎます。日本人の体質・遺伝子に合う、副作用の少ないワクチンが日本で開発されることを祈願しています。
 1月7日に「七草粥」を食べ、胃腸の調子を調え「免疫力をUP」、疾病に罹らないよう、楽しい年末年始をお迎え下さい。
 私は、恒例の、年末に「屠蘇散」を作り、年始に「カラスウリの種子(打出の小槌)の縁起物」を作ります。
 元気(元の気、気=エネルギー、年齢にあった元のエネルギー状態)で、年末年始を楽しんで下さい。