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 B 自家焙煎珈琲 しゃらん ◆ホームページ 
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1036号 2022年6月26日
(61)ブラジルコーヒーの特徴
ブラジルのコーヒーは、年間、200万〜300万トンのコーヒーが生産されている。世界中のコーヒー豆生産量の30%がブラジル産と言われています。酸味やコクなどがバランスがとれた味わいが特徴です。サントス港から輸出されることから「ブラジル・サントス」というブランド名で呼ばれることも多いです。
私が推奨する農園があります。それは、日系二世のトミオフクダ氏が経営するバウー農園です。銘柄は「ブラジル トミオフクダ ブルボンナチュラル」。ランクはスペシャルティコーヒーになります。フクダ氏は、日本で勤務していた経験もあることから従業員育成にも大変熱心に取り組んでいます。勤勉な者しか雇わず、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を取り入れ綺麗な農園つくりにも心がけています。そして、常に農園に足を運び、木の状態を把握し、メンテナンス、管理を徹底しています。ブラジルでも標高の高い場所に位置しており、雨季と乾季がはっきりとしており、最もコーヒー栽培に適した気候となっています。恵まれた気候、そして肥沃な土壌をもつこの農園でブルボン種を栽培しています。真っ赤に実ったチェリーは、丁寧に収穫され、パティオで天日乾燥されます。その後、果肉除去・脱穀・精選されナチュラル・サンドライが誕生します。ブラジルのコーヒー豆は、最もグレードが高いのが「2」です。「ブラジルNO2」が最上級の豆です。最高級質の「アラビカ種」ですが、繊細な品種のため天候によってすぐに枯れてしまします。ブラジルコーヒーは、高級ブランド志向ではなく、コーヒーの「ポピュラーさ」を重視しています。 |
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1038号 2022年7月24日
(62)カフェ・バッハ
店主:田口 護(まもる)1938年、北海道・札幌市生まれ。
店舗所在地:東京都台東区日本堤1−23−9
1978年以来、数度にわたって訪米コーヒー消費国を視察、コーヒー生産国の調査、取材は40か国にも及ぶ。そのうちの数か国では、コーヒー農園を指導する。バッハコーヒーを主宰し、数多くの後輩を指導。全国各地で卒業生が活躍している。
店舗のあたりは、山谷と呼ばれ、日雇い労働者の方たちが居住する場所で、昭和30年代半ばに勃発した「山谷騒動」の舞台にもなったところです。
この地域には、大手チェーンの飲食店もなく、コンビニも数える程でした。システム化されたビジネスの視点には、日本一不利な立地に映るかもしれません。しかし、個人経営の店の成否は、システムではなく、人と人との豊かな関わり合いをいかに育むかにかかっていることを大切にしたいと思われたのです。人に驚きや感動を与えるには、相手の喜びを自分の喜びとし、相手の痛みを自分の痛みとできる人材の育成が欠かせません。そうした、人間にとって一番大切な感情を育んでくれる、この山谷という地域が田口氏にとっては、最適な場所だったのです。
1968年、一軒の喫茶店が誕生。「SHIMOFUSAYA(しもふさや)」夫人の実家の大衆食堂「下総屋」を引き継ぎ、喫茶店に変えて始めたものです。東京オリンピック(1964年)の4年後、まさに高度成長時代でした。この頃から、自由にコーヒー豆が輸入されるようになり、コーヒー市場は、質量ともに、大きな成長期に入っていったということです。
1974年、店舗をリニュアールし、店名を「カフェ・バッハ」に変更しました。店舗は、12〜13坪、座席数もカウンター含め20席足らずですが、昭和のレトロ的な雰囲気で、毎朝、年齢の高い常連さんや、サラリーマンが通っているようなイメージです。私の一押しは、深いコクのあるコーヒーはもちろん、こんがりの分厚いトーストです。店内がコーヒーとパンの香りで満たされていて、顧客のハートをしっかり掴んでくれる癒された場所であることを確認して、店を後にしました。
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1040号 2022年8月28日
(63)珈琲だけの店 カフェ・ド・ランブル
東京都中央区銀座8−10−5 新橋駅から徒歩4分のところに立地。1948年(昭和23年)関口 一郎氏開業(2018年3月17日、103歳で死去)
現在、甥御さんの林さんが後継者として営業中。東京を焼け野原にした戦争が終わってからたった3年後の開業でした。日本中のコーヒー好きが尊敬してやまないコーヒー界のレジェンド。コーヒーの神様と言われ、日本国内の自家焙煎店はもとより、諸外国からも親しまれていました。
生のコーヒー豆を10年以上熟成させてから焙煎する、オールドコーヒーを確立した人であると知られ、また、今日まで語られています。抽出方法は、ネルドリップです。コーヒーのまろやかさと奥深さを強調した味になります。今から、約12年前に夫婦で来店しました。入口からレトロ感たっぷりのお店で、関口さんは、お店の片隅で熱心に焙煎後の豆を点検しておられました。次から次へと外国人の方が入店し、店内はとてもグローバル感がありました。まるで、外国のカフェにいるみたいで、理解できない言葉があっちこっちで飛んでいました。店員と相談して、頼んだ一杯のコーヒーの味、名前はもう忘れましたけど、衝撃でした。さほど大きくない渋いコーヒーカップに、ものすごい深いコーヒーが注がれていました。胃にグイっとくる刺激、苦みがやや多めで、酸味はほんの香るくらいでした。オールドビーンズの珈琲は、独特の深みというか、熟成を感じさせる味わいで、他の店ではとても味わうことができない貴重な体験でした。帰り際に、関口氏から「長い期間寝かせたのだけど、全然おいしくならなかった豆があって、しゃくだから捨てもせず、放置していた。その豆を5年後に不意に発見、飲んでみるとこれが美味かった。珈琲豆は不思議なものである。豆の種類、期間によって全く味が変わってきます」という話が聞けた。最後に、店舗入り口のカフェ・ド・ランブルの看板を横にして3人で記念撮影をして、お店を後にしました。
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1042号 2022年9月25日
(64)コーヒーかすの利用方法
乾燥させたコーヒーかすは、ビンに入れて下駄箱や室内の消臭に利用したり、お茶パックに入れてゴミ箱内や靴の中の消臭に使用したりできます。さらに、乾燥させたコーヒーかすを玄関先や庭に撒けば、虫よけやネコよけの効果があるとされています。
◇肥料にする
コーヒーかすが肥料の材料として適している理由は、コーヒー豆の形状にあります。コーヒー豆は、一つ一つに多くの気功がある多孔質で水分や匂いを吸収する。そのため、植物の成長を助けるよりも、土壌を整えるための肥料として適しています。肥料を作るときにコーヒーかすと他の材料を混ぜ合わせると、他の材料が持つ水分や悪臭物質をコーヒーかすが吸収し、全体のバランスを良い状態に保つことができます。
◇靴の販売
1.一足当たり15杯分のコーヒーかすから生まれた「Panto全天候型防水ブーツ」がCAMPFIREにて先行販売開始。今までのレインブーツの通気性のないイメージを一変、2021年4月27日より販売。従来品より、3分の1の軽さであり、消臭、除湿、通気性などの機能が充実し、さらに洗濯機で100回丸洗いが可能という画期的な靴が誕生しました。
2.ccilu(チル)は、企業の社会的責任を考え、サステナビリティーな商品の研究・開発に取り組んでいます。コーヒーかすをリサイクルし、人にも地球にも優しく、耐久性にもこだわった“長く履ける靴”にアップサイクルしました。
年間約2,500万トンものコーヒーかすが捨てられ、廃棄には、温室効果の高いメタンガスが生成することで環境に悪影響をもたらしている現状があります。皆さんもコーヒーかすを再利用して、環境保全に貢献しましょう。 |
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1044号 2022年10月23日
(65)アジア最大のスペシャルティ
コーヒーイベントSCAJ2022
東京ビッグサイトで、10/12〜10/14まで、展示会が開催されました。私たち夫婦で、13日〜14日まで、研修目的で参加してきました。構成は、235の出展者(国内外のコーヒー会社、すべて試飲可能、コーヒー器具全般等も販売)と58のコーヒービレッジ(日本各地の個性的なカフェロースターと出会える特設エリア)です。エスプレッソバーでの試飲提供、各種イベント、ワークショップと会場は大勢の人で熱気ムンムンでした。世界各国の様々なコーヒーの味と香りが楽しめて最高です。コーヒー好きにはたまらないイベントです。
コロナ禍で、1年は中止、昨年は出展者が小規模で開催、今年度は、コーヒービレッジを増設。私たちも、今回で3回目の参加となりました。毎回、新しい発見ができて幸せです。そこで、ローストマスターズチームチャレンジと題して、ロースティングテクノロジーの構築を最大の目的としながら、結果として焙煎人同士の情報交換やつながりを生むユニークなエキシビジョンマッチです。チームごとに焙煎〜カッピングを繰り返し、課題豆(今回はケニア豆)のポテンシャルを最大限に引き出したコーヒーを作っていただきます。当日は各チーム(北海道〜九州まで9ブロック、1チーム5〜7人)が理想とする焙煎に仕上げられたコーヒーをイベント来場参加の皆様の試飲による評価で順位を競います。ブロックごとのコーヒーを行列に並んで小さいコップで合計9個もらいます。また、招待審査員4名によるプロの評価も併せて行われます。なんと、九州ブロックが特別審査員賞第二位に輝きました。思わず手をたたき感動しました。ケニアに求める豆の印象は、他の豆にはないジューシーな酸味があり、オレンジのフレーバーが印象的という九州ブロックの見解でした。私たちの試飲投票もバッチリでしたので、また驚きました。「さざコーヒー」という会社からケニア豆を記念に200g1500円で買って、帰りました。来年のコーヒーイベントSCAJ2023は、9月27日(水)〜29日(金)に開催決定です。コーヒーに興味のある方、または起業を考えている方、来年一緒に参加してみませんか。
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1046号 2022年11月27日
(66)未来のエネルギー「水素水」の開発
小池都知事が11月8日、エジプトで開催中のCOP27の会議で講演。再生エネルギーで作るため、製造過程で二酸化炭素を排出しない「グリーン水素」の供給網を都内に整備する構想を明らかにした。知事は、各国の首脳らを前に、水素エネルギーで電力を賄う取り組みが東京五輪・パラリンピックの選手村(中央区晴海)のマンションで始まることを説明。その上で、「(グリーン水素は)脱炭素社会の実現を支える重要な柱だ」と強調し、国内外から受け入れたグリーン水素を都民が幅広く利用できるよう、「基幹パイプラインを含む供給網を構築する」と述べた。また、ガソリンスタンドのように街頭で水素を供給できる「水素ステーション」の建設なども支援していく方針を示し、「乗用車やバスだけでなく、トラックや船舶などでも水素の活用を広げていきたい」と語った。都は今年3月に策定した「東京水素ビジョン」で、2050年までに家庭や工場、乗り物などあらゆる場面でグリーン水素が活用されると想定。10月には、製造装置を開発した山梨県と協定を結び、山梨で作った水素を都の施設で使うことなどで合意した。また、企業のINPEXは、11月15日、新潟県で天然ガスから水素を作ると発表。製造規模は年間700トンで、製造時に出る二酸化炭素(CO2)を地下に貯蓄して、実質排出ゼロとみなす「ブルー水素」の国内初製造を目指す。2025年8月から供給を始め、燃料アンモニア製造や水素発電への利用を見込む。23年夏ごろから本格的な工事を始める。まさに、水素時代が到来します。
最後に水素水でコーヒーを抽出したら、どんな風味になるのでしょうか。とても興味津々です。燃料、エネルギーだけでなく、飲料水としても脚光を浴びることは、間違いない気がします。 |
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1048号 2022年12月25日
(67)コーヒーの植え付け 収穫について
コーヒーの木は、苗床で種まきされてから大切に育てられ、成長の状態を見て土壌に植え返されていきます。ブラジルなどでは苗床で1年間、他の産地でも6ヵ月程度は苗床で成長したものを植え返しているのが一般的です。成育は植えつけた標高によって大きく差が生まれますが、一般的には植え付けて3年目でジャスミンのような香りがする白色の花が咲きます。この時点でアラビカは受粉しており、直ぐに小さな緑色の実を見ることができます。ここから約半年コーヒーの実は大きくなる成長期、緑から赤に変わる成熟期を迎え、やがて収穫の時期となります。生産国の収穫期は大きく分けると3つに分けられます。品質の高い豆は、一般的に収穫期の後半以降に収穫されます。
@北半球の農地(10月〜3月頃)
中米、カリブ海、エチオピア、ベトナムなどA南半球の農地(4月〜9月頃)
ブラジル、ペルーなど
B赤道直下(年に2回)
コロンビア、インドネシア、タンザニア、ケニアなど
収穫には大きく2つの方法が存在します。1つは機械による収穫ですが、ブラジルの大型農園の平坦な土地のみで行われています。もう一方が手によって収穫するスタイルで、熟した実だけ手摘みする方法からしごきとる方法まで、さまざまですが、世界の大半のコーヒー農園ではこの方法です。コーヒー生豆の最終的な品質を決める、大きなポイントは収穫するチェリーの熟度です。コーヒーの実は、一度に均一に熟しません。熟したものも未熟なものも全部一度に収穫してしまえば、作業効率は良いですが、未熟な豆が混じります。熟した実だけを収穫すると、作業効率は悪いが、熟した実だけを集めることができます。 |
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1050号 2023年1月29日
(68)コーヒー豆の生産処理方法
生産処理方法は、大きく2つの方法があります。1つは水洗式、ウオッシュドと呼ばれるもの、もう一方が非水洗式、アンウオッシュドと呼ばれるものです。一番重要な点は、どのタイミングで乾燥させるのかということです。
ウオッシュドはコーヒーの実をパルパーという機械にかけ、皮とパルプ質を取り除いたのち、半日〜1日程度水に漬ける。時間がたつと豆についたミューシレージが自然発酵します。ここで、豆を水で洗うと、ミューシレージを洗い落とすことができます。その後、天日乾燥、機械乾燥を経て、薄い殻に生豆が1粒入ったパーチメントコーヒーが出来上がります。この殻を剥がすと、日本で流通しているようなコーヒー生豆になります。手間はかかりますが、工程の中での未熟、過熱な実・豆をある程度取り除くことができます。世界のほとんどの国では、この生産処理が一般的で比較的くせのない酸味のあるのが特長です。
アンウオッシュドは、収穫したコーヒーの実をそのまま乾燥させる方法です。ブラジルとエチオピア、イエメンでは一般的な方法と知られています。それ以外の国では、主に国内消費向けに作られていて、ウオッシュドに比べると簡単な方法ですが、乾燥日数が多くなります。ただし、独特な香りや甘みがあるコーヒーになるのが特長です。ウオッシュドコーヒーでも1〜2週間必要な乾燥時間を3日間に短縮した場合、乾燥前の生豆は非常に柔らかいので、乾燥中に変形したいびつな豆が多くなり、独特の深緑色になります。味も独特な香りと苦みがあります。同じチェリーを使っても、生産処理を変えるとコーヒーの味は大きく変わることを確認していただきたいです。 |
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ひげマスターと珈琲 1〜30 31〜60 |
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