ワンネス 999号  2020/11/22発行

熊本地震の経験を活かした
復旧・復興の防災拠点が完成
 菊陽町光の森防災広場落成

 災害直後に身の安全を守ることを目的とした指定緊急避難場所「菊陽町光の森防災広場」の落成式が10月31日(土)、同施設内で行われました。
 広さ2haで、芝生広場と防災備蓄棟、災害時に仮設テントとして利用できる防災東屋、井戸ポンプ、マンホールトイレ10基などを整備し、耐震性貯水槽には6万リットルの水を備蓄。今後、備蓄棟には2千人分の食料2日分を保管し、自衛隊などの応援部隊の活動拠点としての利用も想定しています。
 落成式には、地元議員や施設工事者などが出席。菊陽町後藤三雄町長は「菊陽町の防災力を向上させ、より安全でより安心を実感できる町づくりを進め『災害に強い 人・緑 未来輝く生活都市 きくよう』 の実現に取り組んでまいります」と式辞を述べられました。
 また、落成式に先駆け10月24日(土)、同町地域女性の会が同施設の見学・研修会を行いました。参加者は充実した施設を見学して「あってはならぬことですが、いざという時活用させていただきたいです」と話されました。


オンラインで笑顔いっぱい
菊陽ゆるサロン

 菊陽ゆるサロン(田中代表)の「1.5周年記念 オンライン祝賀会」が10月14日(水)に行われました。
 同サロンでは、コロナウイルス感染防止対策のため、5月よりインターネット会議アプリ「Zoom(ズーム)」を導入し、学習、活動しています。この日は、祝吟や油絵の紹介、オカリナ演奏など、会員のさまざまな演目がオンライン上で披露され大盛り上がりとなりました。
 田中代表は「今後も参加される方々が“楽しめる場”であることを忘れずに身近なテーマや学習の場でありたいと思っています」と笑顔で話されました。

 

 


  熊本市北区在住 キャンプケイスケ

(7)様々なキャンプスタイル@

 キャンプブームと言われるようになり、だいぶ経ち色々なスタイルのキャンパーさんを見かけるようになりました。今回は様々なキャンプスタイルについてご紹介したいと思います。

●グランビング
 グランピングはキャンプではない!と言う人も居ますが、私は良いと思っています。手ぶらでグランピング施設に行って、豪華なバーベキューを楽しみ、快適な部屋で寝る、一昔前のキャンプのイメージとは違いますが、手軽に豪華なキャンプが楽しめます。
●グループキャンプ
  友人や仲間たちと集まってキャンプをします。料理を持ち寄ったり、みんなでバーベキューをしたりします。また、ソロキャンバーが集まって各々好きにキャンプを行うのもグループキャンプの1種と言えるでしょう。
●ソロキャンプ
  完全にひとりでキャンプを行います。完全に自分のペースでキャンプを楽しむことができます。
●ファミリーキャンプ
  その名の通り、家族で行くキャンプです。子供向けにアウトドアのアクティビティが楽しめるキャンプ場を選ぶと良いでしょう。
●野営
  もはやキャンプと言っていいのかわかりませんが、キャンプ場ではない山の中で行うキャンプです。山は私有地であることも多いし、トラブルが起きても誰も助けてくれません。十分な経験と道具と知識を持って挑みましょう。
 このように様々なキャンプスタイルがありますが、それに合わせて移動手段も変わってきます。
  次回Aへ続く


  碓井秀典(東京都港区在住 原水出身)

(11)関取千両幟

 正代関の、優勝と大関への昇進、おめでとうございます。それに因んで今回は相撲噺からと思ったのですが、何にするかほんとに困りました。噺自体は「佐野山*」「大安売り」「小田原相撲」…とたくさんあります。そうそう竜田川*の「千早ふる」も忘れてはいけませんね。ですが、いまとは時代が違うので、八百長(噺の世界では「人情相撲」と言う)的なものが多いのです。その辺に関係なく笑いの取れる「花筏」にしようか、出世物語の「阿武松*」にしようか、悩んだ挙句三遊亭圓生の「関取千両幟」(「稲川*」とも)にしました。
(*印は、現在も年寄名跡に残る四股名)

 圓生は志ん生・文楽・彦六と並ぶ昭和の大看板・大名人です。芸について厳しい古典落語至上主義者で、それは全てスタジオ録音の「圓生百席」の刊行に如何なく発揮されています。私などは落語は、観客の拍手や笑声に演者も乗せられることによって、良い高座になると思っているので、疑問に思わなくはないのですが、きちっとした芸がそれによって残っているのは凄いことだと思います。
 この噺19分くらいですが、ネタの部分は終わりの7分くらいで、あとは今昔の関取に関する圓生の、相撲通ならではのまくらが楽しめます。(3万貰ってて贔屓がいない? 大錦なの、稲川なの?など、よく整理されてない気もしますが)関取の誠実さと河岸の衆の心意気が気持ちいい良い噺です。
 正代関にはこれからも、贔屓(ファン)を楽しませる良い相撲で、長く活躍していただきたいと願っております。


  神田みゆき

(9)森は海の恋人

 NPO法人 SDGs Association 熊本代表、SDGs教育コーディネーターの神田みゆきです。前回、木を植えたおかげで豊かな水がわき出すようになった吉無田水源について書きましたが、山に木を植えることによって他にどんなことが起きるかということについて書いていきます。
 みなさんは「森は海の恋人」という言葉をご存知ですか。この写真は、気仙沼の牡蠣漁師さんである畠山重篤さんの本です。牡蠣漁師さんである畠山さんは、赤潮が起きて牡蠣が売れなくなってしまうという出来事に遭遇します。そこで海外の視察などをして、「森が豊かだと、海が豊かである。」ということに気付いていきます。そこで、それを周囲の人々にも伝え、気仙沼の豊かに育った森から流れ出る水が豊富な海の生物を育むようにと、気仙沼地方の漁民と、室根村の住民が手を携えて1989年から植樹活動を始めました。そしてその結果、豊かな海が戻ってきたのです。
 気仙沼は、東日本大震災で甚大な被害が起きましたが、畠山さんはこう言われました。「大津波の後、海辺から生き物の姿が消えました。海は死んだかのような様子でした。しかし、一ヶ月後、小魚が姿を現わすと、あっという間に豊穣の海がもどってきたのです。海に注ぐ川、そして流域の森が海をしっかり支えてくれていたからです。“森は海の恋人”という概念は、千年に一度という災禍を超えて、実証された思いです」
 実は、こんな植樹活動が熊本でも行われています。天明水の会と矢部営林署(山都町)、漁協の方々とも連携しての山で木を植える活動です。天明中学校の生徒さんも関わっているとお聞きしました。この話は中学校の道徳の教科書などにも紹介されています。

 森に木を植えることによって、豊かな水が湧き出て、海まで豊かになる。さらには二酸化炭素も吸収してくれる。これは、SDGs6(水)・13(気候変動)・14(海)・15(陸)が繋がっているのですね。【世界は繋がっている】ことをふまえ、今の自分にできることは何かということについて引き続き考えていきましょう。


  自家焙煎珈琲しゃらん 舩元 優二

(44)ドリップで淹れる珈琲の基本

 ドリップとは、高温の湯で珈琲の成分を溶解し、浸出させ、ろ過することをいいます。具体的には、珈琲の粉に少量の湯を注ぎ、粉に湯を充分に浸透させ(蒸らす)粉に含まれた炭酸ガスや成分を溶解する作業を連続して行います。
 この過程が充分な場合は、抽出の初めの数滴の中に、溶解された珈琲エキスが含まれます。この初めの数滴、つまりエキスを抽出することをイメージしながら抽出します。10回抽出して10回同じような香味にできること、1人分と4人分を抽出したときに同じ香味にできることが基本的なスキルとなります。感覚的に身につけていただいて、毎日抽出する中で、「今日はすごくよかった」という日が出てくるはずです。そのような感覚を覚え、積み重ね、自在に香味をつくれるようになって下さい。
 粉の量と抽出時間は、あくまで目安です。湯の温度90〜96度、温度が高すぎると苦味が出過ぎて味が重くなります。90度以下の場合は、よく時間をかけ抽出する。長すぎると味がしつこくなり、短すぎると味がしっかり出ないことになります。 
 粉の量は、1人分10〜12gが目安で、大人数のときは少なめで調整してください。フレンチローストの場合は、同じ抽出量でも、粉の量を多めに、抽出時間を長めにしたほうが、香味のバランスがよくなります。例えば、2人分は粉30グラムを使用し、4〜5分で抽出すると、しっかりした濃度のある珈琲ができます。抽出時間、お湯の温度、粉の量等を毎回、記録していくと、美味しい珈琲にたどり着く近道になると思います。皆様試してみてください。

自家焙煎珈琲 しゃらん
菊陽町 光の森 7丁目17−5 п@096−202−6793


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